分譲物件をどう比較・検討するか。(2014年1月版・番外編)

分譲物件の購入は、投資商品の購入と「も」似ています。その点からも、広告やインターネットのウェブサイト(ホームページ)、また、問い合わせのレベルでチェックしたいところをまとめていました。

●「安全」「安心」「確実」をやたらとうたっている

→ 裏付けがない限り、そういうものはだいたい怪しいです。所詮は民間企業との売買契約・賃貸契約や保守管理契約です。土地は買い取っていれば自分のものですし、設備も購入すれば自分のものですが、保証が続くのか、保守管理は継続されるのかなど、だれも保障をできません。

●「25年間のパネル出力保証」をやたらと推してくる

→ 保証元(メーカーなど)がぶっ飛べばそれまでです。また、保証と入っても代替品を送り付けてくるだけ、送料は買主持ちといった例もあります。「25年間のパネル出力保証」はないよりはもちろんあったほうがいいですが、これで25年は安泰と思ってはいけません。

●「エキスパート」「実績」などの単語が目立つ

→ 1つでもやれば実績、自分がエキスパートといえばエキスパートですから文句は言えません。客観的な実績(施工実績年数・件数・容量など)で冷静に、「エキスパート」「実績」を判断しましょう。これらの内容も重要です。おもちゃのような換気扇を動かすための太陽電池パネルの据付年数・件数実績を自慢している、某●●●●バラマキ系の会社があるとの話もありますが、このあたりも冷静に判断したいものです。

なお、太陽光発電自体は比較的新しい分野です。「老舗だから経験十分」は正しいかもしれませんが、数年なので経験が不足と断定まではできないところが難しいところです。

●「お客様の声」に要注意

→ 「(個人の感想です)」と書いてなくても個人の感想ですし、都合のいいことしか載りません。「お客様の声」は「お客様からの都合のいい声」です。いい面しか言いませんから注意をしましょう。

●容量がモジュールの容量かパワーコンディショナの容量かが明記されていない

→ 容量(kW)の記載があっても何の容量かがわからないものです。どの程度発電できる設備なのかの判断材料の基本的なものを明記しないというのはいただけません。

●推定発電量や売電収入の計算がまちがっている・ロスが考慮されていない・ロスの見積りが甘すぎる

→ 論外です。日射量(kWh/日・平方メートル)×太陽電池モジュール容量(kW)×365(日/年)×73%くらい、で年間の推定発電量の計算ができます。(73%くらいというのは立地・採用される製品等、様々な条件によって異なります。あまりにかけ離れた値を使っている場合には、その根拠を確認しましょう。)

●利回りがやたら高い、回収年数がやたら短い

→ 維持管理(機器の点検・雑草の除去・太陽電池モジュールのたまにの清掃(特に鳥の糞のような雨で流れないもの))、土地や設備に対する固定資産税、売電収入に対する所得税・法人税、将来の機器の交換に備えた費用の積立、確定申告をする手間暇、場合によっては税理士に依頼をする費用などさまざまなコストがかかります。
コストのことにほとんど触れずに、単純利回り、回収年数をやたらと強調するものは怪しいです。また、クリーン投資減税の減税効果を特定の条件で適用してその効果を前提に利回り・回収年数を計算している例もあります。利回りや回収年数などを比較する場合には、同じ条件で比較をしましょう。

なお、広告では10%以上の値をよく見かけます。確かに太陽電池モジュール及びパワーコンディショナ50kW程度・2,000万円(土地代込み)の場合、1年間の売電収入は200万円ほど見込めます。(37.8円/kWでの売電の場合)

20年間の売電収入の累計は4,000万円ほどが見込まれますが、2,000万円がそのまま手元に残る利益になるわけではなく、上記の費用や税金などがかかって、手元に残るのはその半分からせいぜい7割程度ではないかと思います。(管理にどの程度手間暇をかけるかなどによっても変わってきます。) さらに、最後の設備の撤去費用や、土地の売却の手間暇まで考えておく必要もあります。(さもなくば固定資産税がかかり続けます。)

2,000万円が20年間で3,200万円になったと考えても、実は2,000万円を年2.4%の複利で20年間運用した結果と変わりがありません。単純利回りの数字だけで惑わされないように注意したいものです。投資商品としてのみ検討であれば、おいしい投資とはいえないかもしれません。

●細かい字で大事な情報を書いている

→ 利回りや回収年数はやたらでかく書くくせに、「メーカーシミュレーションによる発電量です。だけどだれも発電量、保証しないもんね。」と小さく書いてあるパターンです。メーカーシュミレーションの内容はだれが確認しているのでしょうか? うそは書いていないだけマシかもしれませんが、企業姿勢とはこういうところに出るものです。

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