50kW(未満)太陽光発電(だけに関係するわけではないけども)消費税について考えてみる。(1)

今年の4月から5%から8%になるアレですが、モノを買うだけの側からモノを売る側にもなるわけで、消費税のしくみについて、関して少し整理をしておきましょう。太陽光発電などからの売電収入も、消費税の納税の例外ではありません。

●税率

一般に「消費税」といわれているのは、国税である「消費税」と地方税である「地方消費税」の合計です。「地方消費税」は都道府県に一旦入りますが、都道府県から市町村にも配分されます。

税率は次のとおりです。( http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6303.htm )

  • 現在: 5% (国税4%+地方税1%)
  • 2014年4月1日から: 8% (国税6.3%+地方税1.7%)

●計算方法・納め方

平たく書くと、モノを売った人がお客さんから巻き上げた税額相当額(売上金額の5/105=消費税5%の場合)から、モノを売った人がすでに仕入れなどの際に払った税額を差し引いた金額をお上に納税します。お上としては、手を汚さずにお客さんから間接的に税金を巻き上げられる素晴らしいシステムですね。

例えば、とあるお店の売上1,050万円の場合、お客さんから巻き上げた税額相当額は50万円ですが、この50万円をそっくりそのままお上に献上、いえ、納税するわけではなく、仕入れが840万円(そのうち消費税40万円)であれば、50万円からすでに払ってある40万円との差である10万円をお上に納税すればよいわけです。これが原則です。

●「免税事業者」「簡易課税制度」

上の「計算方法・納め方」が原則ですが、いろいろな事情と大人の事情から、上記の「納め方」どおりでない制度もあります。

「免税事業者」は納税をする必要がありません。「簡易課税制度」を選択すれば、売上高にみなし仕入率をかけたものを使って(すなわち仕入れで払った消費税額を積み上げ計算することなく)消費税額を計算します。それぞれ選択できるには、「免税事業者」は課税売上高1,000万円以下、「簡易課税制度」を選択できるのは課税売上高5,000万円以下、その他いろいろと細かい条件があります。

当然、どれが有利、不利があるわけですから、慎重に選ぶ必要があります。日本のお上は優秀なので、「毎年都合のいい方法で計算すればいいんだろ」なんてことは許してくれません。「(平たく書くと)2年間は変えちゃダメだぞ」などといった制限があります。

これらの選択は原則、事業年度の初日の前日までにしなければなりません。会社の事業年度が「8/1から翌年7/31まで」なら、7/31までに手続きをしないといけません。

なお、新たに事業を始めた場合には、原則として(例外がありますが、相続や合併などが全く関係しないまっさらな法人を資本金1,000万円未満で作った場合には)最初の2事業年度は自動的に「免税事業者」になります。「課税事業者」になりたい場合には、最初の事業年度期間中に限り、その事業年度中に「消費税課税事業者選択届出書」を提出することで、その事業年度(最初の事業年度)から「課税事業者」になることができます。

・・・って、「課税事業者」になって、わざわざ納税したい人っているの? と思われる方も多いかと思いますが、わざわざ国税庁のホームページにも以下の説明があります。

設備投資が多額にあった場合や、輸出業者のように売上げに係る消費税額よりも仕入れに係る消費税額が多く、経常的に還付が生じる事業者については、免税事業者であっても課税事業者を選択することによって、消費税の還付を受けることができます。( http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6531.htm )

なんだ、案外良心的ではありませんが、国税庁。

●「課税事業者」「免税事業者」選択のポイント

「多額の設備投資」「消費税の還付」がキーワードです。太陽光発電設備を導入した初年度は「2,000万円ほどの設備を買ったから、たくさん消費税を取られた」けれども「売電収入は200万円ほどだからもらった消費税は少ない」ということになります。このようなケースの場合、「計算方法・納め方」に書いた「課税事業者」になっていれば「お上に納税」とは逆の「お上から還付」がされます。

「お上から還付」は、「免税事業者」や「簡易課税制度」の選択者は対象外です。取り過ぎた消費税は返してあげますね、あ、原則どおり消費税を払う人についてのみですよ、これは、というのが趣旨だからです。「免税事業者」に還付だけはしっかりするほど日本のお上はマヌケではありません。

●それじゃあ「課税事業者」で一択じゃね?

・・・とはいきません。太陽光による売電は、最初は「多額の設備投資」が必要ですが、その後は、あまり大きな投資・経費が生じるものではありません。ずっと「課税事業者」でいると、最初以外はずーっと、しっかりとお上に巻き上げ・・・いえ、納税をしなければなりません。長期的な収支やそれにかかる消費税、他の事業をされている場合はその収支やそれにかかる消費税も含めて考える必要があります。

50kW(未満太陽光発電所)のみの設備投資や経費、売電収入のみを考えた場合、「消費税課税事業者選択届出書」を提出しておいて「課税事業者」になった上で、設備投資をし、その年度は「消費税の還付」を受け、翌年度は「課税事業者」のままでいなければいけないので、しぶしぶ消費税を納税し、「免税事業者」になれるタイミングになったらすぐに「免税事業者」になる、というのがお財布に優しく、お上に無駄が・・・、いえ、節税ができる選択肢かと思います。

で、そのタイミングっていつ?というのは、国税庁のホームページから。

ただし、平成22年4月1日以後に消費税課税事業者選択届出書を提出し、その届出書の提出があった日の属する課税期間の翌課税期間の初日から2年を経過するまでの間に開始した各課税期間(簡易課税制度の適用を受ける課税期間は除きます。)中に国内において調整対象固定資産(注3)の課税仕入れや調整対象固定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り(以下「調整対象固定資産の仕入れ等」といいます。)を行った場合には、その調整対象固定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ消費税課税事業者選択不適用届出書を提出することができず、簡易課税制度を選択することもできません。( http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6531.htm )

回りくどい表現にならざるを得ないのは致し方のないところですが、弊社(事業年度は8月1日から翌年7月31日まで)は、2014年2月1日に「調整対象固定資産の仕入れ等」を行った場合にはこうなります。

  • 「仕入れ等の日の属する課税期間」: 2013年8月1日から2014年7月31日まで
  • 「仕入れ等の日の属する課税期間の初日」: 2013年8月1日
  • 「仕入れ等の日の属する課税期間の初日から3年を経過する日」: 2016年7月31日
  • 「仕入れ等の日の属する課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間の初日」: 2015年8月1日
  • 「消費税課税事業者選択不適用届出書」を堤出できる日: 2015年8月1日以降
  • 「免税事業者」となる課税期間: 「2016年8月1日から2017年7月31日まで」が最初の課税期間

要するにこの場合、

  • 2013年8月1日から2014年7月31日まで: 「課税事業者」 (「消費税課税事業者選択届出書」を提出したことによる)
  • 2014年8月1日から2015年7月31日まで: 「課税事業者」
  • 2015年8月1日から2016年7月31日まで: 「課税事業者」 (2015年8月1日に「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出してもこの課税期間には適用されない)
  • 2016年8月1日から2017年7月31日まで: 「免税事業者」になることも可能

ということが、所定の手続きを適切に取れば可能ということになります。

平たく書くと「課税事業者」になったら、設備投資した分の消費税は返してあげるけど、3年分くらいは売電収入の消費税払いなさいよ、ということですね。

弊社は継続的に設備投資をして景気回復に貢献し、また、納税を通じて社会貢献をしていきたいので、「課税事業者」で行こうと思います。(棒読み)

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