エクストリーム膨大なデータでエクストリーム過積載に挑む(4)


エクストリーム膨大なデータでエクストリーム過積載に挑む(予告編)エクストリーム膨大なデータでエクストリーム過積載に挑む(1)エクストリーム膨大なデータでエクストリーム過積載に挑む(2)エクストリーム膨大なデータでエクストリーム過積載に挑む(3)の続きです。

・・・と、いろいろとこねくりまわしてみたわけですが、あくまでも弊社「ねぎソーラー」でのデータでしかありませんので、これを他の発電設備に適用する場合の検討をしてみたいと思います。

●変換効率のより高いパワコンを使う場合
●太いケーブル・短いケーブルを使いロスが少ない場合

「ねぎソーラー」では、TIGO Energy による各パネルの発電量に対して売電電力量が「90%」くらいで、これを前提に今回のシミュレーションのベースとなるデータを作成していました。
変換効率のより高いパワコンを使う場合や太いケーブル・短いケーブルを使いロスが少ない場合には「90%」の部分が大きくなりますから、結果的に同じ過積載率でも「ポイ」が増加することになります。
しかし、「90%」の部分を「94%」「96%」に変えてみても、結論に大きなインパクトを与えるほどの、ポイ率の増加や単純利回り・回収年数の変化はみられませんでした。

●真南向きに設置する場合

「ねぎソーラー」では真南より18度程度西に向いています。真南向きにパネルを設置する発電設備の場合、午前中から正午前後にかけての発電量が増えますからその時間帯に関しては「ポイ」が増加する可能性があります。逆に午後の「ポイ」は今回のシミュレーションよりも小さくなることが考えられます。
これも、結論に大きなインパクトを与えるほどの、ポイ率の増加や単純利回り・回収年数の変化にはならないと予想します。

●パネルの傾斜角を10度にする場合/20度にする場合

「ねぎソーラー」のパネルの傾斜角は一部を除いて15度でした。10度にすると朝夕の発電量は少し増えて、昼の発電量は減る(全体では少し減る)、20度にすると朝夕の発電量は少し減って、昼の発電量は増える(全体では少し増える)もとと考えられます。その結果、10度にすると「ポイ」は減少、20度にすると「ポイ」は増加と考えられます。
・・・とはいっても、これも、10度と20度とでは数%程度の差異ですから結論に大きなインパクトを与えるほどの、ポイ率の増加や単純利回り・回収年数の変化にはならないと予想します。

結論になりそうなことをまとめてみました。

  • 過積載率180%程度で、過積載分パネルの発電量のうち20%程度が「ポイ」されます。このあたりが過積載の「コスパのピーク」かと思われます。過積載率150%から160%、160%から170%、170%から180%・・・と、10%刻みで弊社想定のコストデータをもとに計算すると、コスト回収年数(単純計算)は過積載率が180%くらいまでなら8年から10年と少しずつ長くなっていきます。180%前後でコスト回収年数(単純計算)は10年を超えてきますので、より慎重な検討が必要になってくるのではと思います。
  • よいパネル・よいパワコン・高いパネルであれば、180%よりも低いところに、それなりのパネル・それなりのパワコン・お安いパネルであれば、180%より高いところに過積載の「コスパのピーク」が移動します。
  • これを少し下回ったから、あるいは上回ったからといって、極端にコスパが悪くなるものではありません。パネル1枚の容量、きりのいいストリング構成、土地の余り具合からご検討をいただくのが一番です。投資効率重視なら「コスパのピーク」よりもパネルを少なめに、収入の増加を重視するなら「コスパのピーク」よりもパネルを多めにするとよいかと思います。エクストリーム14直列、4並列じゃ物足りないから5並列で、くらいの勢いのよさが銀行融資の審査突破にも重要かもしれません(根拠なし)。パワコン容量の2倍のパネルを積む200%のダブル過積載も十分アリ(パワコンが対応していることが大前提ですが)と考えます。
  • パネルの角度を立てると(傾斜角を大きくすると)、「コスパのピーク」は180%程度より小さくなると考えられます。傾斜角を大きくすることで朝夕の発電は不利になると考えられますので、過積載率を上げることを前提とするならば無理にパネルは立てないほうがよいかと思います。発電量の少ない時間帯の発電量をいかに引き上げるか、そのためにパネルを増設するのが過積載の目的であります。

文字ばっかりでつまらんというお声もいただいたわけではないのですが、そのうちそのようなお声もいただきそうなので、ご希望の方にはシミュレーション結果を差し上げます。ご希望の方はお知らせください。

■ お知らせ(1)
弊社のロクテックあびこ発電所(通称「ねぎソーラー」)(パネル 37.2kW・パワコン 29.7 kW)の発電量(TIGO EnergyによるDC側発電量(パネル発電量合計値))は、いつでもこちらからご覧いただけます。実際の売電量はTIGO EnergyによるDC側発電量の90%前後です。また、「ねぎソーラー」の過去の売電量は弊社発電設備の発電実績からご覧いただけます。

■■ お知らせ(2)
当ブログの次回の情報交換会は、来年2016年1月23日(土曜日)を予定・・・しておりましたが、大人の事情により日程を再検討することになりそうです。日程のご要望等は弊社(「合同会社ロクテック」)について・連絡先に記載のメールアドレス宛の電子メールまたはこのブログ記事のコメント欄へお願いいたします。今のところ「1週間順延」に、大御所から2票であります。

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