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・・・とはいっても、by KDD某な携帯電話会社が太陽光で過積載に挑む話ではありません。
オーストラリアのドメインのホームページでありまして、
GSES leads Australia in renewable energy engineering, training and consultancy.
な会社様のホームページであります。再生可能エネルギーのエンジニアリング、トレーニング、コンサルタントでオーストラリアをリードする会社だぜ、ということであります。
で、こちらのPDFであります。
GSES Technical Papers
Oversizing PV Arrays
https://www.gses.com.au/wp-content/uploads/2016/03/GSES_Oversizing.pdf
要するに「過積載について」であります。英語なんて読むのめんどくせーというものぐさな方が当ブログをご愛顧?いただいている方の大半だと思いますし、当ブログ主も同様でありますが、グラフくらいは斜め読みしてもよいかもしれません。
まず、Figure 1であります。お馴染みのI-V (電流-電圧)カーブであります。正しい過積載ならそれで熱でぶっ壊れるようなことはないよ、ただし、入力電圧は守ってね(開放電圧がパワコンの許容範囲を超えると壊れるよ)と解説されています。4.5kWのパワコンに8kWのパネルをつないでスーパー過積載状態な場合に、8kWのパネルは晴れていれば7kWとか8kW発電することは可能なわけではありますが、実際にこれだけの出力を出すわけではなく、4.5kWの出力が得られるような入力になるように、その時点(温度やら日射量やら)のI-Vカーブの上で電流や電圧をパワコン側がコントロールするんですぜ、というお話であります。パワコンの容量4.5kWを超える部分は熱になるから過積載はパワコンを壊すなんて理屈を信じている方がまだまだいらっしゃるようなのでありますが、2.5kWとか3kWといえば、家庭用のホットプレート全力運転中2枚分でありまして、そんな発熱がパワコンの中であったらどえらいことであります。
Figure 2は毎度お馴染みのグラフでありますから説明不要でありましょう。
Figure 3 は5kWのパワコンに、2.4kWのパネルのストリングを増やしていったら、交流側で得られる電力量がどう増えて(青線)、「ポイ」率はどんなもんですかい(赤線)ということを示したものであります。当然ではありますが、2ストリング(パネル4.8kW)ならほとんど「ポイ」は発生せずに、それ以上ストリングを増やすと、発電量の増え方が小さくなり、「ポイ」率が高くなるという当然の結果を示しています。
Figure 4では青色の Additional Gain がわかりやすいです。3ストリングならそこそこ稼げるけど、4ストリングや5ストリングに増やしてもそれほどはAdditionalはないよってことでありまして、「ポイ」のことを考えると、過積載率は150%くらいが一番よさげよと読めます。
で、Figure 5ではコストも含めた検討でありまして、このグラフからも150%くらいが一番コスパはよいと読み取れます。(おそらく整数ストリングの点を結んだだけなので、パネルのkWベースでグラフが作成されていれば150%よりもう少し上がピークではと思います。) とはいえ、土地のお値段や、総収入額・総利益額のことを考えると、もう少し容量を大きくしたいところであります。パネル増量のコストが安ければもっと過積載率アゲアゲでも経済的にはいいんですよということがグラフから読めます。
以前にもトリプル過積載以上で太陽光発電に挑むで、英語圏のホームページを紹介したわけですが、そのホームページも .au (オーストラリアドメイン) でありました。オージービーフと過積載とは相性がいいのでありましょうか。
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■ お知らせ(1)
弊社の発電設備の発電量・過去の実績は弊社発電設備の発電実績 から、ご覧いただけます。なお、「ねぎ」「えび 1号」では TIGO Energyにより DC側発電量のみを監視しておりますので、DC側発電量を実際の売電量(AC側)に換算される場合には0.9くらいをかけてください。「えび 1号」では雑草を結構始末したので、妙な位置のパネルの発電量が少ないなんてことはなくなりましたが、今度は電柱の影の影響を受けているようであります。
■■ お知らせ(2)
太陽光発電の設備の設計や購入に関するご相談をいただくことがときどきあります。技術的なご相談はお受けできることもありますが、特定の案件に関するご質問で検討・回答に時間がかかるようなものをタダでいくらでもというわけにはいかないことはご理解ください。ブログのネタにできるような一般的なご質問は結構お答えできるかもしれません。また、業者さん(メーカーさん・施工業者さん・販売業者さんなど)の信用状態に関するご相談はいただきましても回答することはできません。「民間企業の寿命は案外短い」「この業界はいわゆる太陽光バブルで新参者がたくさんいてそういう業界・業者さんはだいたい(中略)」ということを念頭において、ご自身のご判断で取引業者さんをご選定ください。信販審査通ってもアレ、公庫の融資審査通ってもまたアレ、こっそり見積もりの金額を上げられたり、こっちが発注しますといってから1割近くも値段を上げられたり、インターネットがつながらない状態で遠隔監視システムを中途半端にそこに物理的に付けただけで(以下略)などなど、業者さん選びの引きの弱さは自信があります。そんなわけで業者さんの信用状態のことは当ブログ主は聞かないほうがいいと思います。ねぎソーラーの頃は恵まれていたんだなあとひしひしであります。
■■■ お知らせ(3)
最近、分譲物件のご購入に関するご相談を多くいただいております。利回りだけを見て検討されていると思われるケースが少なくないようでありますが、メーカーさんや業者さんがまともな根拠もなくシミュレーションをしていると思われる例(「実績」と言いながら近くに比較対象になっているべき設備が存在しない・明らかに発電量を多く盛りすぎと思われるもの)や、土地代が含まれていないのに土地付きとかなんじゃそりゃというものもあったりしますし、利回りを2倍近くに盛っている例もありました。シミュレーションやそれをもとにした想定利回りは「シミュレーションなので保障しません」でなんとでも言い逃れができるものではあります。イケイケなのか下請けに丸投げなのか担当者が勝手にやり放題なのか、結構いい加減な会社さんもこの業界には少なくないようであります。どうかみなさまにおかれましては、取引先選び・物件選びは自己責任という大前提のもと、利回りのみならず将来の収支をよくご検討の上、価格の適正さをご自身の責任において見極めてご判断をされますようお願い申し上げます。
■■■■ お知らせ(4)
第21回の情報交換会は、いよいよ本日11月30日(水曜日)です。15名様+αよりご参加表明をいただいております。ご参加表明をいただきましたみなさまにはすでに会場のご案内のメールをお送りしておりますが、「えっ?」「あっ!」という方は当ブログ主までお問い合わせください。あまりぎりぎりだと席は増やせないかもですが、早い時間にお知らせいただければまだ席を増やせるかもしれません。今回の情報交換会について詳しくは、忘年会のようなもの・「第21回 情報交換会」まであと10日ですよのお知らせです。をご覧ください。
■■■■■ お知らせ(5)
相変わらずこのあたりにもランキングのバナーを置いておきます。当ブログのような泡沫ブログでない素晴らしいブログもたくさん参加されていらっしゃるので、当ブログのような泡沫ブログでいろいろと聞くよりも、親切で的確な答えが見つかるかると思いますよ、きっと。
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