パネル増量規制(と減量規制)とかがやってくる (4)

面白いネタがあるわけでもなく、他所様のように役に立つ話題なんぞさっぱりない当ブログでありますが、ブログランキングの順位が上がったりしているのは、戦争のときに武器屋が金儲けをしているようなアレみたいでなんだか落ち着かない今日このごろであります。

こんなつまらない話題のせいで世の中のいわゆる再エネ発電事業者とよばれる方々が当ブログまでお越しになるために時間を浪費するというのは結構な損失でありまして、いわゆる再エネ発電事業者とよばれる方々を引っかき回したり情報収集に走り回ったりする時間があれば、その分、適切な維持管理に時間をかけていただいたほうがいいのではとも思うわけであります。まあ、なんといいますか、資源エネルギー庁様におかれては、穏便な制度運用をお願いするとともに、いろいろとお手柔らかにお願いしたいところであります。

と、いうことで、パネル増量規制(と減量規制)とかがやってくるシリーズの(1)はこちら(2)はこちら(3)はこちらであります。

改正3部作のうち2番目と4番目のPDFについて(3)で書いたところでありますので、今回は3番目のPDF、メインディッシュについてであります。これについては改正箇所だけを先に読むのではなく、改正前の告示の全体構成をまず読んでから、この改正する告示案の理解を試みたほうが味わいが深まるのではと思います。

電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の規定に基づき調達価格等を定める件の一部を改正する告示案

(太陽光発電設備に係る調達価格等)
第二条

次に掲げる日のうちいずれか遅い日(以下この項において「価格決定日」という。)が平成二十九年四月一日から平成三十二年三月三十一日までの間に属する場合における太陽光発電設備であって、その出力が十キロワット未満のものに係る調達価格等は、前各項の規定にかかわらず、次の表の再生可能エネルギー発電設備の区分等及び価格決定日が属する期間の欄に応じて、それぞれ同表の調達価格の欄に掲げる価格及び同表の調達期間の欄に掲げる期間とする

ここは10kW未満の太陽光設備についての記述でありますので細かいことは省略しますが、平成29年4月から平成32年3月までの3年間についての価格が書かれているわけでありますね。過去に認定をとっているものであっても、所定の変更をやっちまうと・・・という点は以下、他の容量・種類の発電設備でも同様であります。


次に掲げる日のうちいずれか遅い日が平成二十九年四月一日から平成三十年三月三十一日までの間に属する場合における太陽光発電設備であって、その出力が十キロワット以上二千キロワット未満のもの又はみなし認定事業者に係るもののうちその出力が二千キロワット以上のものに係る調達価格等は、第一項から第五項の規定にかかわらず、次の表のとおりとする。

ここは「10kW以上2MW未満のもの」と「みなし認定事業者で2MW以上のもの」に関する記述であります。みなしではない2MW以上のものは入札制度でいろいろと縛られているわけでありますから、ここでは規定をしていないのでありましょう。で、【次に掲げる日のうちいずれか遅い日が平成二十九年四月一日から平成三十年三月三十一日までの間に属する場合】でありますが、「次に掲げる日」の中に、変更認定のうち買取単価変更の対象になる変更認定が並んでいて、該当するものをやっちまうと、価格が変わってしまうケースが出てくるわけです。

で、ここで場合分けがされているわけであります。


当該設備がみなし認定事業者に係るものである場合であって、平成二十八年七月三十一日以前に当該設備に係る接続契約が締結された場合における次に掲げる変更の認定


当該設備がみなし認定事業者に係るものである場合(平成二十八年八月一日以降に当該設備に係る接続契約が締結された場合に限る。)又は当該設備が認定事業者みなし認定事業者を除く。以下この項において同じ。)に係るものである場合における次に掲げる変更の認定

イは「パネルの種類や製造者の変更をすると買取単価変更の対象・認定日からの運転開始期限なし」案件、ロは「パネル変更は制限なし・ただし認定日から3年という運転開始期限あり」案件ということになりますね。

イ、ロ、それぞれ(1)(2)(3)(4)がありますが、(1)(2)は以前からあったもの、(3)(4)が新たに増えた今回注目を浴びるアレであります。

まず、イの(1)についてであります。

【当該設備に係る調達期間の起算日前における次に掲げる変更の認定】であります。調達期間の起算日とは、固定価格の買取期間(20年間とか)の最初の日でありまして、要するに運転開始日のことでありますね。ここでは運転開始前の変更の認定を言っているわけであります。
(i)は【太陽電池に係る変更の認定】とありますがこれはパネルのメーカー変更や、種類の変更(単結晶→多結晶など)、メーカーや種類が同じでも効率の低いパネルへの変更は価格変更の対象と言っています。これは以前から同じでありますね。
(ii)は【当該設備の出力の変更の認定】でありまして多くの場合にはパワコンの容量であります。10Kw未満または20%未満の減少、2MW以上になる増加、電力会社からの指示による出力の変更は価格変更の対象にはならないとあります。今回追加されている2MW以上については、入札制度との関係でありますね。

ロの(1)はイの(1)(ii)と対応する内容でありますが、ロは出力の減少は買取単価変更の対象にはならないので、イの(1)(ii)から「10kW未満または20%未満の減少」を抜いたものになっています。

(2)(3)(4)はイとロで共通なようでありますね。

(2)は【当該設備に係る調達期間の起算日以後における出力の変更の認定】でありますが、出力の減少と、2MW以上になる増加は対象にならないとあります。要するに運転開始後の出力の増加(2MW以上になる入札制度の対象になるものを除く)が価格変更の対象と言っています。

(3)は運転開始前か後かは関係なく、【当該設備に係る太陽電池の合計出力の変更の認定】であります。これが今話題のメインディッシュな規制であります。「20%未満の減少」「3%未満の増加」「3kW未満の増加」のいずれかに該当すれば価格変更の対象とはならないそれ以外は価格変更の対象となる、ということであります。【(1)及び(2)に掲げる変更の認定並びに】がわざわざ入っているのはなぜなのでありましょうか。ここはよくわかりませんでした。

(4)は【当該設備を電気事業者が維持し、及び運用する電線路に電気的に接続することについての電気事業者の同意に係る主要な事項の変更の認定】であります。電力会社と接続契約ができたあとに、その内容のうち主要な事項を変更したら価格変更の対象になるということのようであります。具体的に何なのかはよくわかりませんが、主要な事項とは何か次第でかなり影響は変わってくるように思えます。

・・・ということで、多くの方の設備が該当しそうなのは、第2条の7の、イかロでありますが、いずれも「発電出力を変えなくてもパネルを増量したら買取単価変更の対象になるよ(ただし3%未満または3kW未満の増量なら対象外にするよ)」なようであります。

ここまでの動きを見ていると資源エネルギー庁にのなんとか課長は政令いじって規制しちゃうもんねに有言実行な方のようであります。有言実行はすばらしいことではあるのですが、結構ビビりな当ブログ主としてはその影響がいろいろと心配であります。

あるいは、「遡及なんてえげつないことはしません、きちんと猶予期間を与えるよ」といきなりジェントルマンになったと思わせておいて、なんとか代行申請センターとかなんとか手続代行センターみたいな下請けなみなさんとの見事な連携プレイ、あるいは下請けやらシステムのせいの処理滞留を他人事にして「もう締め切りました」「下請け?そちらの事情は知りません」をやったりすると、結構な役者であってなんとか庁長官のような栄転ものなのかもしれませんが、そんなミエミエな連携プレーならみんなで「大根役者!」と叫びたいと思います。まあ、叫ぶだけではないこわい人たちもいるかもしれませんがそういう方のパワーにはまあ期待しています。変なことを書くと共謀罪になっちゃったら困りますし。

そうそう、施行時期がいつなのかがわかりませんが、過去、だいたい結構速やかに施行されちゃうみたいでありますね。

FIT認定後の太陽光「過積載」、増出力時の価格適用/エネ庁
2017/07/14
https://www.denkishimbun.com/archives/16177

エネ庁は現在、意見募集を実施しており、8月4日で締め切る。一定の取りまとめ期間を経て、遅くとも9月までには省令・告示を改正、施行される見通しだ。

ということで、遅くとも9月ということは早ければ8月かも、ということでありますね。

お上の考え方と今回の改正と称するアレの規制ターゲットはだいたい明確にはなっているわけでありますから、わけもわからずにパブコメをたくさん送りつけても「これだからあいつらは・・・」と思われるだけであります。お上の考えで不合理なところがあれば、そこの問題点は指摘しつつ、穏便に紳士的にパブコメを送るのが紳士淑女の振る舞いでありましょう。

ま、ここの業界に紳士淑女がどれだけいるのかはわかりませんが。当ブログ主も含め。

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2 thoughts on “パネル増量規制(と減量規制)とかがやってくる (4)”

  1. 4月からの規制が始まり、それの手続きが滞っていると認めている状態で
    さらに、規制を決めても良いんでしょうかね?
    内閣府などに相談してみましょうか・・・。
    と思い、しらべてみたら総務省が受け付けみたいですね。

    http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/soudan_n/index.html

    経済産業省に勝てる省庁とは思いませんが、相談してみます。

    1. コメントありがとうございます。
      いいのかどうかはよくわかりませんが、本当にそれでいいと思って信じて疑っていないのか、それとも、最初は派手に打ち上げておいて落とし所を決めているのか・・・、こんなことをやっていて再エネの最大限導入って、だれがするんでしょうか。
      あ、品行方正な(棒読み)メガと、家庭用だけでいいんでしたね、エネ庁さんにとっては。

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