18円時代の太陽光発電設備投資計画について考えてみました。


3年ほど前の記事であります、27円時代の太陽光発電設備投資計画について考えてみました。の焼き直しで記事であります。

一部の業者さんは「設備のコストが下がってるから以前より儲かりますよ!」と投資を煽っているわけでありますが、そうはいっても、27円で80kWと、18円で100kWでは、売上での比較では小粒であります。

  • 設備: 確かに安くなった
  • 土地: 安くなったわけではない
  • 負担金: 安くなったわけではない
  • 税金: 設備の値段に比例する固定資産税(償却資産税)は安くなる
  • 維持管理コスト: 設備1つあたりでかかってしまうコストについては変わらないわけで、売上あたりでみるとむしろ負担増では

でありまして、冷静に判断をしたいところであります。

資金力やら、信用力(資金調達力)やら、きちんと維持管理できる範囲の限界などもあるわけではありますが、これらが無尽蔵な方であれば、1つあたりの儲けは少なくても物件数を積み上げて行くという戦略はありでありましょうし、節税絡みな富裕層な方であれば別の判断もあるのかと思いますが、どちらにも該当しない、中小零細ちんまり系としては、1つあたりの収益性も大事にしつつ、でも、数にも挑みたいけど、なかなか・・・が実際のところであります。

とかなんとか言いながら、結構有名な分譲物件サイトに出ていた、結構有名な分譲ヤーさんの、ダブル過積載級なのに、ダブル過積載級とは思えない珍しく良心的な値段の物件に問い合せてみたら、パネルの容量がこっそり少なくなっていて、「あれ?なんで?」と問い合わせしたら、完全無視されたりで、まあ、世の中そんなものです。この件については完全無視なくせに、セミナーの案内だのなんだかよくわからない電話などよくわからんです。

ということはさておき、お客さんには「表面10%以上ですよ」と言いつつ分譲ヤーさんも利益はしっかりとらないといけない今日このごろでありますが、18円時代になり利幅取れないわけでなかなか厳しいわけで、

  • 利幅を削るか、
  • 発電量のシミュレーションをちょいとモリモリするか、
  • お値段のそばに土地代には消費税はかかりませんと書いておいて土地代は込なのかなと思わせておいて、下の方に小さく土地代を書いてみて利回りを大きく見せたり、
  • メンテナンス契約必須にしてそこでごにょごにょだったり、

そういうようなことがよくあるようであります。

ということで分譲ヤーさんとは別の世界で、3年ほど前の記事と同様に、昨今の土地やら設置等のお値段事情を当ブログ主の認識の範囲で整理してみました。ベースは分譲ヤーさんとか、 DIY とか DIT とか DIA ではなく、JPGM (自分でプロデュース・業者に丸投げ) で、お値段は消費税等込でいきましょう。


【設備】
工事費込みでパネル90kWで1,300万円くらいからでありましょうか。(個人の感想です。) パネルやらパワコンやらの選び方でもかなり変わってきますが。少々お値段が上がっても、年間総発電量が大きくなるような特性のパネルを選んだほうがオトクなことは多いのではと個人的には思います。(個人の感想です。)

【土地】
「300坪・坪1万円以下」で太陽光発電に適した土地は、イナゴの大群が通り過ぎたあとの状態で、あまり残っていないように思えます。(もちろん、大群が通り過ぎた後に売りに出る土地もあるわけで、ないわけではありませんが。)

  • 少々広めの土地でゆったり配置
  • 少々狭めの土地でエクストリーム詰め込み配置
  • 資金力・資金調達力があって、出力制御のリスクが低い地域であればさらに広い土地で高圧にチャレンジ

なども候補かと思います。ここでは、仮に低圧1つ分、造成込みで400万円の土地を想定してみましょう。

【連系費用(電力負担金)】
いわゆる「50kW未満」なら、電柱が近接していれば50万円くらい、電柱1本追加なら+30万円くらいをみておく必要がありそうです。当ブログ主はやや小さい規模だったり、ちょっと土地が高めだったりのニッチなところを狙って、「とんでもない金額」が来るようなリスクのある場所はなるべく避けているのですが、それでも金額が出るまではドキドキしたものであります。

【その他】
遠隔監視システム、フェンス、防草シートなど雑草対策などのコストも見積もっておかないといけません。仮に150万円としておきましょう。このへんは考え方次第、選ぶ製品のグレード次第、自分でできるところは自分でするなどなどでも変わってきますが。

【で、計算をしてみましょう。】
パネル容量90kWで、日射量などの条件がよいところであれば年間売上190万円から200万円は可能でありましょう。他方、上記のコスト(設備1,300万円+土地ほか400万円+連系費用50万円+その他150万円)の合計では1,900万になり、表面利回り10%ちょいほどであります。


次に、表面利回り10%で儲かるか、であります。いわゆる経年劣化を考慮して、固定価格買取価格の買取期間20年間の総売電収入は、初年度売電収入の19年分相当額と仮定してみましょう。(年0.5%ずつ、20年後に約10%下がるという想定をとりあえずしてみます。もう少し渋めに想定をしたほうがよいとは思いますが。)

  • 初年度売電収入の10年分: 「設備」「土地」「連系費用」「その他」などの支出で消えます。
  • 初年度売電収入の1年分くらい: 「設備」「土地」の固定固定資産税で消えます。(評価額の1.4%。設備の評価額は年々下がりますので平均して0.7%くらいとすると17年間で総額170万円くらいが「設備」の固定資産税、すなわち償却資産に係る固定資産税であります。)

ここまでで手残りは初年度売電収入の8年分ほど、1,500万円ないし1,600万円(年平均75~80万円)が残るわけであります。ここから、

  • 借入金の金利 (15年返済・年2.5%程度で借り入れの場合には借入総額の2割程度)
  • 損害保険料 (年4万として単純に20年間で80万円ですが補償内容次第)
  • 遠隔監視システムなどの運用費用・通信量 (ケースバイケース)
  • 点検・見回り・草刈りなどにかかるコスト (場所や頻度次第) あるいは業者さんとのメンテナンス契約費用
  • 何か修理があればその費用
  • 最後には撤去費用

を引く必要があります。比較的金額が大きなものだけをざっくり計算してみると、上から順に仮に、金利200万円、損害保険料80万円、見回りあるいはメンテナンス契約年間12万円×20年で240万円、撤去費用として100万円として、20年後の残りは880~980万円、つまり年間平均44~49万円ほどであります。税理士さんにお願いすれば税理士費用、そして、儲けからはきちんと所得税・住民税、あるいは法人税・いわゆる法人住民税などをお支払いするとなかなか厳しいところであります。(もちろん、複数の設備をお持ちであれば1設備あたりの税理士費用はお安くはなしますが。)

パネル容量を少々減らすかわりにゆったり配置にしてパネルの傾斜角を大きくしてパネル容量あたりの発電量のアップをはかる、防草シートやフェンスはDIYにしてコストダウンをする、土地選びはなるべく行きやすい=自分にとって時間やコストの負担が大きくならない場所を選ぶなどなどを組み合わせて、なんとか収益性をアップをしないとであります。

こんな状況下でありますから、分譲物件を検討される方は、いわゆる分譲ヤーさんがどうやって利益を確保しているのか、表面利回りや計算の前提になっている発電量シミュレーションは怪しくないか、そのへんに注目しながらいろいろと比較検討するといろいろと見えてくるかもしれません。

頭金数百万で、20年後に1,000万弱増えますよという計算をすれば、ウマウマには見えるわけではありますし、確かにウソではないのではありますが、その他諸々の経費やら労力を考えると、ちょいと物足りないのではという気もするわけでありまして、そのへんは自己責任で判断であります。

とはいえ、自己責任。いい運動にもなるし、しっかり維持管理して再エネ増やすぞというのはよいことでありまして、情報収集のためには今日もこちらをクリックでお役立ちなブログをお訪ねください。
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■ お知らせ(1)
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太陽光発電の設備の設計や購入に関するご相談をいただくことがときどきあります。技術的なご相談はお受けできることもありますが、特定の案件に関するご質問で検討・回答に時間がかかるようなものをタダでいくらでもというわけにはいかないことはご理解ください。ブログのネタにできるような一般的なご質問は結構お答えできるかもしれません。また、業者さん(メーカーさん・施工業者さん・販売業者さんなど)の信用状態に関するご相談はいただきましても回答することはできません。「民間企業の寿命は案外短い」「この業界はいわゆる太陽光バブルで新参者がたくさんいてそういう業界・業者さんはだいたい(中略)」ということを念頭において、ご自身のご判断で取引業者さんをご選定ください。信販審査通ってもアレ、公庫の融資審査通ってもまたアレ、こっそり見積もりの金額を上げられたり、こっちが発注しますといってから1割近くも値段を上げられたり、インターネットがつながらない状態で遠隔監視システムを中途半端にそこに物理的に付けただけで(以下略)などなど、業者さん選びの引きの弱さは自信があります。そんなわけで業者さんの信用状態のことは当ブログ主は聞かないほうがいいと思います。ねぎソーラーの頃は恵まれていたんだなあとひしひしであります。

■■■ お知らせ(3)
最近、分譲物件のご購入に関するご相談を多くいただいております。利回りだけを見て検討されていると思われるケースが少なくないようでありますが、メーカーさんや業者さんがまともな根拠もなくシミュレーションをしていると思われる例(「実績」と言いながら近くに比較対象になっているべき設備が存在しないもの・明らかに発電量を多く盛りすぎと思われるもの・いわゆる過積載のいわゆるピークカットをシミュレーションでまともにやっていないのに実績自慢をするような例)や、土地代が含まれていないのに土地付きとかなんじゃそりゃというものもあったりしますし、土地賃料を抜いて利回りを計算したり、利回りを2倍近くに盛っている例もありました。シミュレーションやそれをもとにした想定利回りは「シミュレーションなので保障しません」でなんとでも言い逃れができるものではあります。イケイケなのか下請けに丸投げなのか担当者が勝手にやり放題なのか、結構いい加減な会社さんもこの業界には少なくないようであります。また、支払い条件(特に多額の前払いの要求・多額でなくても要注意ですが)にも十分ご注意ください。どうかみなさまにおかれましては、取引先選び・物件選びは自己責任という大前提のもと、利回りのみならず将来の収支をよくご検討の上、価格の適正さをご自身の責任において見極めてご判断をされますようお願い申し上げます。


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4 thoughts on “18円時代の太陽光発電設備投資計画について考えてみました。”

  1. 考え方次第でしょうね。

    他人のお金で、1年あたり40万程度+なら、
    普通のリーマンの1か月のサラリーが増える程度です。
    これがデカいか、否かでしょう。

    勝ち組サラリーマン様でしたら、ボーナスにも届かない額ですが
    負け組はこういうのを積み上げていきませんと。

    だいたい、融資限界点を夫婦で見たら4~6件で、年160~240万円。
    連系する間での最初だけ頑張れば、奥様のパートをしなくても大丈夫な感じになれます。
    また経費をきちんと意識すれば・・・。
    まあね節税は計画的にといいますかw

    1. コメントありがとうございます。
      40万円は確かに大きいのでありますが、ここから保険だったり遠隔監視の通信費だったり、そして、草刈りだったり、点検だったりなどなど維持管理のコストを引いて、さらに利益にかかる税金を払うと・・・と思うわけでありまして、儲かるのは投資を煽る業者さん、納税はたくさんして、本人は8桁の借金をして、汗をかいた割にはわりには・・・ということもあるのではというのが趣旨でありました。
      おっしゃるとおり、経費をしっかり意識して、さらに、見に行くにも大して時間も費用もかからないような距離のところであれば十分にありだと思います。

  2. 量でカバーする方針ならいいと思います。
    利益率が1%であっても、100万の1%と1億の1%では絶対量が違ってきますので。
    他に太い収益源がある人にとっては、寝ていた方がマシという状態と思います。

    1. コメントありがとうございます。
      その1億円を引っ張れるうらやましい方であれば、1件あたりは小さくても、あるいは率が少々悪くてもどんどんイケイケでウマウマもありなのでありますし、他に収益源がある方であれば無理には手を出さないという選択肢もあるのではと思います。しかしながら、おそらくそのような方はお見えにならない日陰のような当ブログといたしましては、どんどんイケイケウマウマではない慎重さがいるのではと思うわけであります。

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