シミュレーションをいじくっていわゆる「利回り」11%になっているような、土地代は別と小さく書いてある分譲物件を買うとどうなるか


当ブログ主は物件の比較を Microsoft Excel で、パネルの1枚あたり容量、枚数、パワコンの容量、設備、負担金、フェンスなど、土地のそれぞれのお値段や、その他調整項目、そして借入金額を入れると、毎年の税引前の売上から、毎年経費として出ていくものを引いた、税引前のキャッシュフローを計算するようなシートでやっております。

ここから毎年の減価償却費(やその他考慮したい経費)を引けば税引前の利益が計算できて、その気になれば一定の条件を設定することで税引き後の利益や真の(?)手残りも計算できるわけですが、減価償却費は定額法・定率法があったり、利益にかかる税金は前提条件によってかなり変わるわけでありまして、物件の比較が目的であればそこまではいらんべなということで、そこまではせずに経費を引くところまでで比較をするようにしています。

で、せっかくなので(どんなせっかくなのやら)この Microsoft Excel のシートを使って、こんな物件で計算をしてみました。

  • まあそこそこ日射量がよさそうな場所の案件
  • 21円案件(消費税別2,400万円・初年度売電収入を222万円(を約2割水増しして266万円に)
  • パネル99kW・パワコン49.5kWのダブル過積載
  • 連系費用(負担金)・フェンス・防草シート込み
  • 自称利回り11% (実はシミュレーションをいじくって発電量を約2割水増し済み)
  • 土地代は別(売買200万円)と小さい字で下の方に記述あり
  • メンテ契約必須(年間10万円)
  • 土地代以外は全額信販会社利用可(年2.5%・15年間180回返済)

固定資産税(土地・設備)も一定金額を想定して、計算してみました。なお、固定資産税(土地・設備)は計算に含めていますが、利益に対してかかる税金(所得税・住民税あるいは法人税)は以下の計算には含んでいません。また、メンテ契約の内容がどんなものなのか、20年間続くのかはよくわかりませんが、当然足りない分は自己負担でなんとかせねばなりませんが、この自己負担分も計算には含んでいません。

  • 15年目までは毎年マイナス(メンテ代くらい)
  • 信販会社への返済が終わる16年目以降はプラス
  • 16年目と17年目のプラス分で15年目までのマイナスを埋め合わせ
  • 18年目以降はようやく黒字を実感できる感じ

これで、20年で総額600万円が残る感じであります。(上記の「利益に対してかかる税金」を引く前の金額です。)

よくよく考えると、このケース、今どきの資機材・施工のコストを鑑みると「分譲ヤーさん with 施工業者さん連合軍」「金貸しさん」がそれぞれ600万円以上儲かっているような気もしないでもないようなでありまして、一体だれが一番儲かったのやら、であります。やはり資本主義なのであります。

「あるある、そんな物件」と思われた方も、そうでない方も、収入と経費を正しく見積もることは事業の基本でありまして、様々なブログの数々をお訪ねいただいて、正しい情報収集をおすすめであります。

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■ お知らせ(1)
太陽光発電の設備の設計や購入に関するご相談をいただくことがときどきあります。技術的なご相談はお受けできることもありますが、特定の案件に関するご質問で検討・回答に時間がかかるようなものをタダでいくらでもというわけにはいかないことはご理解ください。ブログのネタにできるような一般的なご質問は結構お答えできるかもしれません。また、業者さん(メーカーさん・施工業者さん・販売業者さんなど)の信用状態に関するご相談はいただきましても回答することはできません。「民間企業の寿命は案外短い」「この業界はいわゆる太陽光バブルで新参者がたくさんいてそういう業界・業者さんはだいたい(中略)」ということを念頭において、ご自身のご判断で取引業者さんをご選定ください。信販審査通ってもアレ、公庫の融資審査通ってもまたアレ、こっそり見積もりの金額を上げられたり、こっちが発注しますといってから1割近くも値段を上げられたり、インターネットがつながらない状態で遠隔監視システムを中途半端にそこに物理的に付けただけで(以下略)などなど、業者さん選びの引きの弱さは自信があります。そんなわけで業者さんの信用状態のことは当ブログ主は聞かないほうがいいと思います。ねぎソーラーの頃は恵まれていたんだなあとひしひしであります。

■■ お知らせ(2)
最近、分譲物件のご購入に関するご相談を多くいただいております。利回りだけを見て検討されていると思われるケースが少なくないようでありますが、メーカーさんや業者さんがまともな根拠もなくシミュレーションをしていると思われる例(「実績」と言いながら近くに比較対象になっているべき設備が存在しないもの・明らかに発電量を多く盛りすぎと思われるもの・いわゆる過積載のいわゆるピークカットをシミュレーションでまともにやっていないのに実績自慢をするような例)や、土地代が含まれていないのに土地付きとかなんじゃそりゃというものもあったりしますし、土地賃料を抜いて利回りを計算したり、利回りを2倍近くに盛っている例もありました。シミュレーションやそれをもとにした想定利回りは「シミュレーションなので保障しません」でなんとでも言い逃れができるものではあります。イケイケなのか下請けに丸投げなのか担当者が勝手にやり放題なのか、結構いい加減な会社さんもこの業界には少なくないようであります。また、支払い条件(特に多額の前払いの要求・多額でなくても要注意ですが)にも十分ご注意ください。どうかみなさまにおかれましては、取引先選び・物件選びは自己責任という大前提のもと、利回りのみならず将来の収支をよくご検討の上、価格の適正さをご自身の責任において見極めてご判断をされますようお願い申し上げます。

■■■ お知らせ(3)
次回の太陽光発電メンテナンス研究会(TMK02)は9月26日(水曜日)開催予定です。詳しくは「第2回太陽光発電メンテナンス研究会」(TMK02)のお知らせです。をご覧ください。


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