「東西向き」パネル設置で発電量は向上するのか


エビデンスというか実績はないけど、データをこねくり回すのは大好きな今日このごろです。

さて、昨今ちょくちょくネットのニュースなどで見かけるのが「東西向き」パネル配置であります。まあ、「南北向き」でもよいのでありますが、全部のパネルを南に向けるのではなく、半数ずつ背中合わせというか向かい合わせにするアレであります。ちなみにこのページのイラストは東京メトロ東西線05系車両であります。

土地の形状・コストは決まっているわけで、そこにパネルを詰め込んで(少々パネル容量あたりの発電量は下がっても)パネル容量あたりの必要土地面積やその他のコストを下げようというのが、いわゆる東西向きの目的であります。ウマウマ権利持ちだけど土地が足りないなんてことなら当然検討でありましょう。

感じとしてはざっくりいって容量が25%増加、発電量は20%増加なんて感じになるところでありまして、増加させない場合と比べると、増加させた分(あくまでも増加分)の効率としては8割ほど(=20÷25)であります。増加させてもさせなくても他のコストが一定であるならば、効率8割でもよほどの過積載率にすでになっている場合以外は、十分イケイケでありましょう。シンプルに考えると(過積載による「ポイ」が大きく発生しない範囲という前提ではありますが)、とある発電設備の計画の際に、ここで「ポイ」覚悟で50kWのパネル(+架台+ケーブルなど)のみを増やすコストと、40kWの発電設備を全く別の場所で作るコスト、どちらが安上がりか、という計算であります。

積載率が十分高ければ、また買取価格が並みであればあの手この手で詰め込む理由はあまりないわけではありますが、過積載率が控えめだったり、ウマウマな買い取り単価で最大限しゃぶり尽くして国民負担を増大させたい方あるいは再エネの最大限導入に寄与したい方なら詰め込みは大いにありであります。(※事後的過積載については事実上の規制がされましたので、認定済みのもののパネルの大幅な増量はよほど再エネの最大限導入と、国民負担の低減を実現したい方以外にはおすすめしませんが。)

さて、一部では、東西配置では発電量のピークが分かれるから有利という話もあるようでありますが、これはかなり疑問であります。

真南向きと比較すると、真東や真西向きは年間平均の日射量は一般に1割以上小さくなります。ということは、かなり大雑把な書き方ではありますが「真南向きに設置すると1割以上「ポイ」(いわゆるピークカット)が発生する」という過積載率においてのみ発電量の逆転の可能性があると言えます。すなわち、ダブル過積載超えでもやらない限りは・・・であります。ダブル過積載超えのようなエキセントリックなことをされる方は当然ご自身で計算もされていると思いますので心配はあまりしないのではありますが、そのへんは実績も多くはないわけで、ご自身で納得の行くシミュレーションをされることをおすすめしたいです。当ブログ主が過去にやってみたシミュレーションでも、トリプル過積載でもやらない限りは・・・でありました。

東西配置のメリット・東西配置の検討ができるのははこんなところでありましょう。

  • 「ポイ」があまり発生しない程度(160%とか170%とかが上限でしょうか)までパネルを積みたいが、スペースが足りないときに。
  • ウマウマな権利(過去に申請してある高い買取価格)を狭い土地でも最大限活用したいときに。
  • なるべく敷地を覆って、少しでも雑草対策が必要な面積を減らしたいときに。
  • 結構暗くなるパネルの下であんなこととか、こんなことをしたいときに。

ただ、パネルによる光の反射は要注意でありまして、近隣の環境は要チェックでありますね。南向きと比べると、北向き・西向き・東向きのパネルはお住まいの大事な窓に光が向かう時間が多くなりますから、ご迷惑をおかけしてしまうリスクが高くなるわけでありまして、ここは素晴らしいブログの数々をお訪ねいただいて研究をぜひお願いしますであります。

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