14円/kWhでもまだ太陽光に挑めるのか


挑むか挑まないかは各自の自由でありますが、よほどの篤志家でない限りは、あるいは趣味オンリーな人でない限りは、儲かるか儲からないかは気になるところであります。

で、「儲かるか」の判断基準は人それぞれでありまして、小遣い程度でも十分という方もいれば、ギラギラしている方もいるわけでありまして、中にはお行儀があまりよろしくない、自分の金儲けのために権利ばかりを主張される方もいるようでありまして、「なんかなー」であります。

結局は各自の自由、自己判断でどうぞになってしまうわけでありますが、その判断の前提には収益を予想する計算が必要であります。幸いにも太陽光は一般的なビジネスや風力発電と比較して、「売上」を推計しやすく、また「経費」もかなりの部分は明確に計算できたり、先人たちの経験談などから推計ができるわけでありまして、きちんと計算すれば「投機」ではなく、比較的健全な「事業」「投資」として取り組むことができるのではと思います。

危なっかしいパターンをちょいとまとめてみました。

  • 想定の売上(売電収入)を自分で計算できない: どんな商売でも売上がいくら期待できそうで、経費がいくらかかって、だからいくら儲かりそう、だから商売をする、という検討をするものであります。「売ってなんぼ」の業者さんのシミュレーションを鵜呑みにするのではなく、自分で計算しましょう。影のかかるような土地でニッチに攻めるわけでなければ、計算は簡単な四則演算のレベルであります。
  • いわゆる表面利回りだけで食いつく: 売上も経費も自分で計算・検証しないというパターンであります。売上が水増しされていたり経費を低めに見積もったりなどなどでありまして、これでは正しく収益を予想する計算をすることができません。
  • 将来かかる経費・税金の種類・概算金額を把握していない: 業者さんが手取り足取りなんでも教えてくれるわけではありません。自分の事業とするのであれば自分でわかっておかないといけません。

設備・工事費が18円時代よりちょいと安くなるという期待のものとで、ちょいと試算をしてみました。日射量がそこそこよい地域を想定であります。

  • パネル容量 99kW
  • 方位角0度(真南向き)・傾斜角20度
  • パワコン容量49.5kW
  • 日射量4.00kWh/平方メートル・日
  • 土地200万円
  • 負担金(連系費用) 50万円(消費税別)
  • 設備・工事費1,200万円(消費税別)
  • 整地・フェンス50万円(消費税別)

  • 年間想定発電量105,000kWh
  • 年間想定売電収入147万円(消費税別)

  • ここまでの考慮のみなら土地・負担金(連系費用)・設備・工事費の回収に約10年

ここまでなら「20年後には初期投資と同じ額くらい残る?」な感じではありますが、ここから以下のものを引かねばなりません。

  • 固定資産税(土地)
  • 固定資産税(設備=償却資産) 評価額の1.4%=20年間でざっくり言うと設備価格の12%くらい?=1年ちょい分の売電収入
  • 借り入れの場合の金利 15年・年2.5%のなら借入額の20%程度=フルローンに近ければ2年分の売電収入になることも
  • 保険・監視装置の通信費・点検・見回り・維持管理などなどのコスト=月1.5万円と控えめにみても20年で2.5年分の売電収入
  • これらの経費を差し引いたあとの利益にかかる税金

最後に残るのが600万円くらいだとすると、20年で割って年平均で30万円、月平均2.5万円なわけでありまして、このあたりを考えると、お父さんのお小遣い程度なわけであります。様々なリスクを背負いながら今から普通に土地を買ったり、普通に分譲ヤーさんの「表面10%案件」に食いつく、特にローンを前提とすると大変苦しいのではと思うわけであります。

  • すでに土地を持っている
  • 安く工事ができる
  • 高圧以上など大規模で利益「額」をある程度確保できる

などがあればまだなんとか攻められる・・・かもしれません。

お上にしてみると、中小零細の野良ソーラーはもういらん、というところが正直なところでありましょう。野良系な投資家・投機家には冬の時代到来であります。挑まれる方は心して挑んでくださいであります。

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■ お知らせ(1)

太陽光発電の設備の設計や購入に関するご相談をいただくことがときどきあります。技術的なご相談はお受けできることもありますが、特定の案件に関するご質問で検討・回答に時間がかかるようなものをタダでいくらでもというわけにはいかないことはご理解ください。ブログのネタにできるような一般的なご質問は結構お答えできるかもしれません。また、業者さん(メーカーさん・施工業者さん・販売業者さんなど)の信用状態に関するご相談はいただきましても回答することはできません。「民間企業の寿命は案外短い」「この業界はいわゆる太陽光バブルで新参者がたくさんいてそういう業界・業者さんはだいたい(中略)」ということを念頭において、ご自身のご判断で取引業者さんをご選定ください。信販審査通ってもアレ、公庫の融資審査通ってもまたアレ、こっそり見積もりの金額を上げられたり、こっちが発注しますといってから1割近くも値段を上げられたり、インターネットがつながらない状態で遠隔監視システムを中途半端にそこに物理的に付けただけで(以下略)などなど、業者さん選びの引きの弱さは自信があります。そんなわけで業者さんの信用状態のことは当ブログ主は聞かないほうがいいと思います。ねぎソーラーの頃は恵まれていたんだなあとひしひしであります。

■■ お知らせ(2)

最近、分譲物件のご購入に関するご相談を多くいただいております。利回りだけを見て検討されていると思われるケースが少なくないようでありますが、メーカーさんや業者さんがまともな根拠もなくシミュレーションをしていると思われる例(「実績」と言いながら近くに比較対象になっているべき設備が存在しないもの・明らかに発電量を多く盛りすぎと思われるもの・いわゆる過積載のいわゆるピークカットをシミュレーションでまともにやっていないのに実績自慢をするような例)や、土地代が含まれていないのに土地付きとかなんじゃそりゃというものもあったりしますし、土地賃料を抜いて利回りを計算したり、利回りを2倍近くに盛っている例もありました。シミュレーションやそれをもとにした想定利回りは「シミュレーションなので保障しません」でなんとでも言い逃れができるものではあります。イケイケなのか下請けに丸投げなのか担当者が勝手にやり放題なのか、結構いい加減な会社さんもこの業界には少なくないようであります。また、支払い条件(特に多額の前払いの要求・多額でなくても要注意ですが)にも十分ご注意ください。どうかみなさまにおかれましては、取引先選び・物件選びは自己責任という大前提のもと、利回りのみならず将来の収支をよくご検討の上、価格の適正さをご自身の責任において見極めてご判断をされますようお願い申し上げます。


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