どこまで詰めるか、久々にグラフを作ってみました、ダブル過積載版。(1)


ほにゃらら市場とかほにゃららモバイル関係の話題ばかりで、書いている方も食傷気味になったので、久々にグラフを作ってみました。

これ(クアドプル過積載級)の改訂版というか、ちょっといじってみた版であります。

  • 元データは茨城県内某所のMETPV-11(年間時別日射量データベース)のデータ。
  • いわゆる過積載率は200%を想定。
  • JPEA様の太陽光発電協会表示ガイドライン記載の「太陽電池の補正係数」を使用して、季節ごとの温度による損失を考慮。
  • 真南向き横置き4段架台を想定。パネルの短辺方向の長さは1,025mm。(4段で4,100mmとして計算。)
  • 1時間ごとの太陽の動きから影の長さを計算。
  • パネルの「下1/3の一部」「1/3超2/3以下」「2/3超」に影がかかると、そのパネルの影なしの場合の発電量の1/3・2/3・100%が減るという想定で計算。
  • 発電量はパネル容量、日射量、上記の補正係数、パワコン容量の制約によるいわゆるピークカットにより計算。他の要素は考慮せず。

パネル部分の高さ(=sin10度×1.025mm×4段)の何倍を間隔としてとったかと、発電量の関係のグラフはこちらであります。パネル傾斜角5度・10度・15度・20度の場合を比較をしたかったので、「パネル傾斜角10度・間隔は2.4倍」の場合の発電量を100%としています。

やってはいけないことなのですが、縦軸の原点はゼロではなく「84%」になっております。サーセン。

当ブログをご愛顧いただいている方なら、予想の範囲内の結果だったのではないでしょうか。

  • 間隔が広いほど発電量は多いけれども、2.2倍程度以上であればそれ以上間隔をとっても発電量はほとんど変わらない。(敷地に余裕があれば間隔をとったほうが発電量にとってはプラスよいですが、距離が長くなればケーブルのコストも上がりますし、雑草対策をすべき面積も増えます。)
  • 1.7~1.8倍程度よりも詰めると、発電量が減る傾向が大きくなる。(冬の1日のうち、比較的発電量が大きな昼間の時間帯に、パネルに影がかかることが原因です。)
  • 0.6~1倍よりも詰めるとさらに落ち込みが大きくなる。(ここまで詰めるケースは相当な訳ありだと思いますが・・・。)

ということで、事情が許せば、かつ積雪など他に考慮すべき事情がなければ「角度は15度・間隔は高さの2.2倍以上」あたりが推奨ラインでありますが、状況によっては「間隔は1.8倍くらいまでなら詰める」「角度は10度にする」を検討するというのがよさそうであります。また、真南向きではなくある程度西や東に向いていると、15度の相対的優位性が下がりますから10度を選んだほうがよいケースも増えてきそうです。

5度と10度の発電量の差は他と比べて大きいこと、パネルの砂埃が雨水でおそうじしてもらえる効果を考えると、5度はなるべく避けたいところではありますが、イケイケ詰め込みをせざるを得ないようなケース、例えば離隔が1m程度しか確保できない場合には5度という選択肢も出てくるのではと思います。

20度は敷地が許せば検討したいところでありますが、基礎や架台のコストが上がるケースも多いようでありまして、「必要な土地が増える・コストも上がる」と「発電量アップ」を天秤にかけると微妙な感じがするのではないでしょうか。

なお、両面受光パネルので裏面の発電量はこの検討には含んでいません。当然ですが、詰めると裏には光が当たりにくくなって結果的に両面受光パネルのパフォーマンスを引き出せない、ということになりかねません。両面受光パネルをお使いの場合には、ある程度の間隔の確保を優先して、そのためにはパネルの傾斜角を小さめにするという検討も必要になるのではと思います。(裏面を「おまけ」と割り切って表面だけの計算で攻めるというのもありだとは思いますが。)

「ダブル過積載版」というタイトルということは、トリプル過積載版とか、クワドプル過積載版とか、クイントプル過積載版とか、セストプル過積載版とか、セプトプル過積載版とか、オクトプル過積載版とか、ノナプル過積載版とか、デカプル過積載版とか、ウンデカプル過積載版とか、ドデカプル過積載とかで記事を乱造するつもりだなと思われた方も、そうでない方も、以下のリンクアイコンをクリックで、お役立ちなブログの数々をお訪ねいただいて次回の当ブログの更新をお待ちください。
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