10kW以上太陽光、いま注目を浴びる解体等費用の強制積み立ての算出根拠は?


こちらで公表された、委員長案という名の、お上のご意向を踏まえてできたご意見のようなもので事実上これで決まりで、お上は「ご意見を尊重して」とエクスキューズするための例のアレでありますが、今年の注目のトピック(?)は解体等費用であります。マグロの解体ショーじゃないよ。

当ブログをご愛顧いただいる方であれば「買取価格って、廃棄等費用を資本費の5%と見込んで計算してなかったっけ?」というご認識のもと、「設備部分の借り入れの返済が終わったら廃棄等費用を積み立てるか」みたいな方が多いのではと思います。

が、今回の強制積み立て、要するに「発電事業者の連中は信用ならないので、放置して逃げても周りが困らないように、強制的に吸い上げて、安心安全な機関で預かっておいてあげます」という趣旨であります。(信用しないお気持ちはわかりますが、口の悪い人に言われせるとお互い様かもしれません。)

で、電気の買取の単位がkWhあたりおいくらなわけですから、吸い上げる強制積み立てもkWhあたりいくらで設定するのが扱いやすい(確実に吸い上げができる)ということで、発電出力kWをベースにではなく、発電量kWhをベースで取るということになったわけでありますね。

しかしながら、買取価格を決めるにあたっての当時の廃棄等費用は資本費の5%、資本費とは要は設備やその設置費用でありまして、kW単価で設定されていたものであります。これをもとに、設備利用率とかいろいろな理屈によりkWh単価に設定をしなおした結果が、この解体等費用のkWh単価でありますして、こちらの42ページ以降に書いてありますね。

また、廃棄等費用の確実な積立てを担保する制度では、再エネ特措法(2022 年4月施行改正法)上、解体等積立基準額(認定事業者が市場取引等又は特定契約若しくは一時調達契約により供給した電気1kWh 当たりの積立額)を経済産業大臣が定めることになっており、それを定めるに当たっては、あらかじめ、調達価格等算定委員会の意見を聴いて、その意見を尊重することとなっている。

お上のご意向に沿うように選ばれた委員の集まりに、お上が資料を用意して、お上のご意向に沿う委員が協議をして、出てきた結論を、お上は「ご意見を尊重して」で決めて執行するわけでありまして、一つの様式美、伝統芸能の一つであります。

  • 廃棄等費用は資本費の5%(2019年度まで)とか1万円/kW(2019年度の想定値・2020年度以降)を想定していたから、これを強制的に積立させるぞ。
  • 強制徴収する積立金は1kWhあたりいくらで金額を調達価格等算定委員会がご意見するからそれをなぞって経済産業大臣が決めるぞ。パブコメ募集はするけど、「ご意見を尊重して」のテンプレ返しするぞ。
  • 認定年度ごとの想定設備利用率とか、想定自家消費率を使って、「5%」とか「1万円/kW」を、kWhに換算したものを今回の委員会の意見にしたぞ。

みたいなところでありますね。勝手に単価を決めるなとか、こんな単価聞いてねえぞなど、金額には文句を、パブコメとして言っても、資料を読まずに文句を言ってくる権利ばかり主張する「分からず屋」と扱われておしまいでありましょう。もっとも、まともな主張をしても野良オーナーレベルが言うことがどのように扱われるかはお察しくださいでありまして、外圧とか大企業の金魚のフンをすることも重要ですよ、みなさん。

また、「うちはちゃんとやりますからー」とか「うちのはそんなに廃棄はかからないですよー」とか「うちは50年やるつもりだからそんなに積み立てなくてもー」といった個々の事情を言っても理解してくれる相手ではありません。かねてからケーブル等のドロボウ被害が指摘されている中、ドロボウホイホイリストを公表して「ドロボウ対策は発電事業者の責任で、知ったことあるかい」と言ってのけて知らんぷりがお上というものでありまして、さらにはずいぶんと気味の悪い営業活動にも利用されている有様ですが、ちょっとやそっとのことで軌道修正なんて有りえません。外圧とか大企業から何かあれば別ですが。

お上からすると「お前らが信用ならん」「想定していた金額の積み立てを強制させるだけで後出しとか言われる筋合いはない」という認識でありましょうし、そもそもこっちの業界の自業自得なところも多いわけで。

とはいえ、「?」とか「!」とか、思うところはいつかあるわけであります。

  • 設備利用率が高いと、売電収入に比例してたくさん吸い上げられます。きちんと維持管理してよい発電状況を維持すると罰金が多くなるといういやらしい仕組みであります。
  • 自家消費率が低いと、同じ発電量でも売電する量は多くなるわけですが、その結果、たくさん積み立てをさせられます。(地域活用要件が課せられているソーラーシェアリングで、事実上の全量売電をすると収入の1割近く持っていかれますが大変では?)
  • 発電量が落ちてもパネルはそのまま使い続けて、パワコンは適宜交換しながら30年とか40年とか事業をする場合には、積み立てさせられた資金は「預かってやる」されたままなのでしょうか。中途での取り崩しの要件(認定上の太陽光パネル出力の15%以上かつ50kW以上を廃棄することを要件に、積立金の取戻しを認めることとしてはどうか。)に満たないような小規模な取り替え等を繰り返して事業を継続している場合って、いつまでたっても取り崩せないのでしょうか。というか、パネル容量50kW未満の発電設備には、はなっから中途での取り崩しを認めないつもりみたいな文言を放り込むことを思いつくような小役人様の老後(中略)、最後は有耶無耶にして持ち逃げとかしないか心配であります。(わざと放り込んでいれば相当に悪質、気づかずにやっていれば文章作成能力が不足だと思います。)
  • 強制積み立てはFIT制度の一部だと思いますが、固定価格買取期間が終わっても「預かってやる」つもりなのでありましょうか。固定価格買取機関が終わっても「預かってやる」の根拠は何なのでありましょうか。
  • 「預かってやる」の間に発生する利息とか運用益ってどうなるのでありましょうか。なんとか機関が勝手に運用してウマウマなのでありましょうか。なんとか機関がお役人様を接待するための原資になったりはしないのでありましょうか。
  • そもそも国営ネズミ講年金みたいに、目的外に食い尽くされたりされない保証はあるのでありましょうか。

であります。

固定価格買取期間後もほそぼそと売電収入を得ながら、しかしながら、なんとか機関に「預かってやる」をされるよりも、さっさと撤去してお金を返してもらったほうがよいと判断する発電事業者も出てくるのではとも思いますし、そもそもいつ戻ってくるかわからないのになんでタダで預けないといかんねん的な判断も当然あるわけで、その結果、お国の考える方向性に従って固定価格買取期間後も事業を継続するとバカを見るような、そんな制度設計ともとれる内容も含まれているわけでありまして、どうなんでありましょうか。

と、いうことで、ご意見のある方はご意見しておいたほうがよいです。締切は2021年3月9日23時59分だそうでありますよ。

パブコメのご意見の数を煽っている筋の方もいますが、祭りか何かと勘違いして低質なものを大量に送ると、この業界のレベルを疑われる(すでに疑われていますが)でありますから、お上が出している資料の中身は一通り把握した上で、筋の通った主張をご意見として送らないとであります。数もまあそれなりには重要らしいのではありますが。

文句を言っても所詮はプロレスでしょと思われている方も、せっかくですから入場券という名のご意見を送ってみて、成り行きを注視してみようではありませんか。
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