Q パワコンの容量以上に太陽電池モジュール(パネル)をつないでも大丈夫?

A 大丈夫です。50kWのパネルがいつもつも50kW発電するわけではなく、比較的好条件な環境でもさまざまなロス(汚れ・配線での電圧降下・パワーコンディショナでの変換時などなど)で、通常の設置環境下なら最大でも40kWほどしか発電しないことが一般的です。ということで、49.5 kWのパワコンに60 kWくらいのパネルを接続することはよく行われていて、これを「過積載」と呼んでいるようであります。(英語では over-sizing)

これを進化(?)させて、「49.5kWのパワコンに70kWとか80kW分のパネルをつないだら、昼間の限られた時間帯には電気を捨てることになるけれども、全体としてみれば総発電量が大きくならね?」「パネルを増量するだけなら総コストは大きく上がらないよね」という考えでもっと過積載をする考えもあり、これを程度によって「スーパー過積載」「エクストリーム過積載」「ダブル過積載」「トリプル過積載」などと称しています(やり過ぎ?)。

計算上とパワコンメーカーさんからの間接的な情報では「トリプル過積載」もできるパワコンがいくつかあります。(ネタにしかならないですが。)

なお、パネルの開放電圧は気温が低いほど上がりますから、想定される低温環境下での開放電圧をきちんと計算をしてからパネルを何枚直列につなぐかを検討しましょう。(計算に必要な情報はパネルのカタログ等の仕様欄にも明記されています。)

Q パワコンの容量に対して、太陽電池モジュール(パネル)の容量は何倍まで大丈夫?

A ケースバイケースではありますが、1.6倍から1.8倍くらいまでを目安としつつ、2倍超でも場合によってはありではと思います。(年や月ではなく時間単位の)日射量の変化や、気温その他の条件で変わってきますし、敷地の面積にもよります。気温が特別に低い、日射量が特別によいなどといった場所でない一般的な場所であれば、当ブログ主としては「1.4倍くらいなら普通にやってよし」「無茶な詰め込みなレベルでない程度で普通に詰め込めるなら1.6倍とか1.8倍でも」「土地が余っていてパネル増量の予算もリーズナブルなら2倍でも」と考えています。

あえて傾斜角を小さくする・間隔をつめることで1枚あたりの発電量を若干落とすことを覚悟しつつ、その分より多くのパネルを設置して、雑草対策の手間を低減する(太陽電池アレイの下も対策は必要ですが)というやり方もないわけではありません。

なお、日本のパワコンメーカーさん3社(O社・T社・Y社)にお伺いしたところ、3社とも「入力電流・電圧等の仕様範囲を守っていただければ、いきなりぶっこわれたり想定寿命が短くなったりはしません」とのことでした。あくまでもパワコンメーカーとしては、という回答ではありますので、施工業者が首を縦に振るかどうかとは別の次元の話です。パネル容量kWでいくらと粗利を乗っけて値段を決められている施工業者さんならウハウハだと思うのですが(笑)。

Q 太陽電池アレイの傾斜角・方位角は?

A 土地が十分にあって、積雪など特段の理由がなければ方位角は当然0度(真南)、傾斜角20度くらいがよいかと思います。30度なんてできるともう少し発電量は稼げるかもですが、土地を食う割にはそれほどでもという感じです。(積雪のある場所では30度以上も検討すべきでありますが。) 積雪がなくもっと詰め込みたいという状況であれば傾斜角10度でもよいのではと思います。傾斜角をあまり小さくし過ぎると、砂埃が雨水で流れ落ちにくくなる、雪が落ちにくくなるなどの問題もあります。

方位角が多少は東や西に向いても発電量にはそれほど大きな影響はありません(年間総発電量で数%)から敷地を効率よく利用できる配置を優先するのもありです。ただし、真南から西や東へ大きくずれる場合にはパネルの傾斜角は小さめが発電量の点では有利な気がします。まずは影の影響をよく検討してみましょう。

Q 24枚の太陽電池モジュール(パネル)をつなぐのに、「8直3並列」と「6直4並列」どっちがいい?

A 直列数が多い(並列数が少ない)がおすすめです。なので、どちらでもパワコンの動作上問題がなければ、「8直3並列」がおすすめです。理由は、(1)配線での電力損失(ロス)は電流の2乗に比例します。電流を3/4(75%)に減らせば配線での電力損失(ロス)は9/16(約56%)に減ります。(2)配線材が少なくて済みます。(3)パワコンへの入力電圧が高くなりますから朝はより早い時間にパワコンが運転を開始します。(夕方もより遅い時間まで期待できます。)

Q 出力抑制(電圧上昇抑制)ってなんじゃらほい?

A 要はこれが生じると生じた分はマネーになりません。電気は電圧が高い方から低い方に流れます。そのためパワコンは系統(電力会社側の配電線)に電気を押し出すために、系統よりも出力電圧を上げようとする機能がありますが、いくらでも上がるとそれはそれでご近所さんにも電力会社にも迷惑がかかりますから、いくらでも出力電圧が上がるわけではありません。その上限は電力会社との協議で決まっているのですが、この上限に達すると、ここで出力抑制(電圧上昇抑制)がかかります。

その結果、電気が系統側に流れなくなる、つまりマネーにならなくなるわけです。出力抑制(電圧上昇抑制)が生じやすい条件はいくつかあり、そのうちいくつかは周辺の環境によるもので発電施設側ではどうにもならないものもありますが、最低限、自分の持ち物の範囲(自分の発電施設の敷地内)では原因を低減するようにしたいものです。

具体的にはパワコンの出力側(交流側)のケーブルによる電圧降下を小さくするために、ケーブルはなるべく短く、短くできない場合には太くするなどの対処です。一部の電力会社さんは(あまりにも「抑制対策なんとかしてよ」という発電事業者さんや施工業者さんからの文句が多いせいか「自分の敷地内のケーブルの太さくらい先にきちんと計算してまともに設計してよ」ということでしょうか、計算用のフォーム等をホームページに用意しています。

それほど難しい計算ではないので、自分でも計算をできるようになっておくと、悪質な(以下略)。

なお、一部の電力会社さんで、「昼間は電気があまるから太陽光の買取を制限しますよ」という意味での出力抑制とは全く別物です。

Q 影の長さってどんなもの?

A 日影図で検索をしてみるとイメージをつかみやすいと思います。年月日と北緯・東経を入れると太陽の動きがわかるありがたいホームページ ( http://keisan.casio.jp/exec/system/1185781259 )もあります。これと、sin(サイン)・ cos(コサイン)・ tan(タンジェント)と四則演算くらいでできますので自分で計算をしてみてください。日本国内の本州での一般的な例としては、平坦地にある高さが1メートルのものから、南北方向について2.4メートルほど離せば「冬至の日でも1日6時間は影がかからない」となります。

現実的には土地を効率的に使うために、「2.4倍」はあまり気にせずに、もう少し詰めて冬の朝夕は多少影がかかってもいたしかたなし、で設計することが多いようです。2倍(きりがいい)とか1.7~1.8倍(真冬でも正午前後のよく発電する時間はパネルに影がかからずしっかり発電できる)なども目安でしょう。

Q 太陽光発電で影の影響はどのくらいある?

A あらゆる影を想定すると、これ1つで本が書けるくらいに複雑な話です。一般的な結晶系パネルの場合には影のかかっている面積の割合以上の影響が出る、といえるでしょう。パネルの面積1割に影がかかったから、発電量は9割ね、というスイートな世界ではありません。結構ビターであります。

Q 影の影響を避けるための設計は?

A くどいようですが、これ1つで本が書けるくらいに複雑な話です。抽象的な一般論ではむしろ説明が複雑になりそうなので、影をつくるものが何でどこにあってどんな大きさで、パネルやパワコンの種類が何で・・・といった、具体的な情報があったほうがスムーズに設計に範囲得できるのではと思います。

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