限られた土地にどこまでパネルを「積んで」「詰め込む」べきか (1)

久々に技術的っぽい話であります。相当以前に、2016年こそエクストリーム過積載で収入最大化に挑む(8)とか、過積載率アップのためのスーパー詰め込みで太陽光発電に挑む?・暫定版なんて記事があったり、買取単価24円のダブル過積載にエクストリーム膨大なデータで挑む妄想(1)や、買取単価24円のダブル過積載にエクストリーム膨大なデータで挑む妄想(2)や、買取単価24円のダブル過積載にエクストリーム膨大なデータで挑む妄想(3)な妄想やら、海外ネタでトリプル過積載以上で太陽光発電に挑むなんて記事もありましたが、その後は放置でありました。

妄想ばかりだったり、暫定だったりで、本番はどこだという話も一部ではあったのですが有耶無耶でありました。まあ、泡沫零細ブログですので、有耶無耶にしてもお叱りを受けることはなかったわけでありますが。実は、「過積載率」「間隔」の両方ともを変化させると発電量はどんな感じになるかというシミュレーションを試みていたのいではありますが、6年前のパソコンではあまりに動作が重たくなりまして、実用にならんということで断念したというのが実際のところであります。

さて、昔は「間隔は高さの2.4倍でしょ」「過積載?1.2倍とか1.3倍くらいじゃね」くらいで終わっていたこの議論でありますが、「パネルのお値段」がお安くなって、「収益性の確保」だったり「リーズナブルな土地の確保」が重要になってきている昨今でありまして、そうすると限られた土地でどこまで詰め込んでパネルをどれだけ積むかが結構悩ましいところであります。

年間の総発電量を増やすべくパネルの傾斜角を大きくすれば高さが高くなりますから影も長くなるわけで、そうするとより多くの土地が必要なわけであります。それよりもほどほどの傾斜角にすれば影は短くなりますから同じ面積でもパネルをたくさん入れることができるわけであります。いや、影が多少はかかってもそれは冬の一部の期間なわけで詰め込みイケイケ上等、なんて考えもあるわけです。

で、そんなことはどうでもいいから最適解をさっさとよこせという読者の方がたぶん4割くらいはいらっしゃると思うのですが、だいたいそういう方に限って電話とかメールで周辺の情報もなく「答えくれ」であったりするわけで、そんなスイートは話がほしけりゃ当ブログのような零細ブログ、場末の飲み会みたいなところじゃなくて、親切な人を探したほうがいいんでないかいというわけであります。

それはさておき、土地の形状だったり、パネルなどを増やすと生じるコストだったり、事業者・設計者の趣味だったりといろいろな要素に左右されるわけで、簡単に書けるものではないのであります。何枚なら収まりがいいかによっても変わってきますし、パネルなどのコストが安ければ、パネル1枚あたりの年間総発電量、すなわち効率が下がってもイケイケで詰め込んでしまえということにもなります。発電事業者さんがT1GP (太陽光発電グランプリ)にエントリーしていたりすると利回りは多少下がっても発電量・収入の最大化を目指すぞということもあるかもしれません。

当ブログ主的には、まず以下のようにパネルの傾斜角・方位角を決めて、

  • まず、パネルの傾斜角は積雪の可能性など環境に合わせてだいたい決めて(積雪がほとんどなければ20度、あれば30度など相応に)
  • パネルの方位角は「真南」か「真南から30度くらいまでの範囲で東か西に」で敷地の利用効率を踏まえて決めて

その上で、当ブログ主的には

  • パワコンが許してくれる範囲で1ストリングあたりの枚数はなるべく最大枚数で → 直流側の電圧は高くしてロスは少なく・配線も少なく
  • パネルの詰め込み具合は「高さの1.8倍」の間隔を目安に(平地への設置の場合にはパネルの傾斜による高さのことで基礎部分は含みません) → 冬の朝夕の発電量は妥協しつつも冬の昼間は無駄にはしない程度で土地の利用効率を上げて
  • 過積載率は150%から180%くらい(パワコン容量約50kWに対してパネル容量は75~90kWくらい)までを目安に → 資機材・施工費用の相場を考えるとこのあたりが利回りはピークでは

で、あとは「余裕」とか「必要」とか「勢い」とか「ノリ」に応じて調整でありまして当ブログ主的には

  • 間隔を詰めたり広げたりしてみる
  • パネルの傾斜角は小さくしてさらに間隔を詰めてみる
  • 過積載率がもう高くなっても、「1ストリングあたりのパネル枚数」「パワコン1台あたりの回路数」「架台の仕様」などできりのよい枚数になるように詰め込む・削る
  • パネルを増量するコストが安かったり、利回りよりも収入最大化が目当てならもっとパネルを積んでみる
  • 敷地が狭い場合でも70~80kWくらいまでかなり無理矢理に詰め込んでみたケースもシミュレーションしてみる

という感じでありましょうか。あくまでも当ブログ主的には、であります。

ちなみにでありますが、適切なパネルの設置方向(結晶系なら横置き)で、ストリング構成も理想的であれば、「高さの1.8倍」というところをさらに詰めてもそれなりには発電はしてくれます。1時間ごとの太陽の動き、NEDOのMETPVデータによる365日・1時間ごとの推定日射量、パネルに対する影のかかり方から一定の計算をしてみたところ、案外いけるなというのが正直な印象であります。1.8倍よりも詰めると発電量の落ち込みが大きくなり始める感じでありますが、1.8倍を切ってしまうと冬の昼間でも影がかかりはじめるからであります。とはいえ発電量がいきなりどかんと落ちるわけではありませんから総合的な判断であります。敷地に余裕があればもう少し間隔をとると、冬場の朝夕も影がかからる時間帯が短くなっていきますから発電量はちんまりずつですがアップしていくわけでありますが、そのあたりは土地次第であります。

DIY系な方だったり、中華から直輸入でやっちまう方であったり、施工業者さんが自社用にやるからなどなどで、パネル増量が安くできる場合ならさらなるイケイケ詰め込みでも十分ありなのでしょうけれども、弊社・当ブログ主のような弱小零細が、まっとうな施工業者さんにまっとうなお値段でお願いする場合、イケイケすぎると「パネルを20%増量するために派手に詰め込んで、影の影響やら過積載率アップによる発電量減がパネルあたり8%、総コストは15%アップしたけど発電量は10%しかアップしなかった、コストのアップ分の回収年数が15年でなんじゃこりゃ」的な状態にもなりかねません。これではあまり増量した意味がないわけで、やり過ぎはいけません。

また、春から秋までは傾斜角が10度でも20度でも発電量は大きく違いません。冬場の発電量で大きな差が出で、その結果が「20度にすると10度よりも年間推定発電量が4~5%ほど多い」になるわけであります。詰め込みが過ぎると影の影響が増えて、まず真っ先に冬の発電量を削ってしまうことなってしまいます。詰め込みが過ぎると「春から秋までは同じ」「冬も影の影響で結局同じ」「ストリング構成が影に対して最適化できなかった」「だったら最初から10度にしたほうが敷地も小さくて済んだ・もっとパネルを置けた」なんてこともありえますから悩ましいところであります。

そんなこんなで、詰め込むことでの発電量増加、影や過積載率アップによる影響による発電量減少、そしてコストを総合的に検討する必要があります。こうなってくると、飲み会で寄った勢いですぐに結論を出すとか、現地の図面も周辺の写真もないのに教えろとか、電話一本で結論くれとかははっきりいって無謀であります。親切な人を探すことをおすすめしますが、それでも当ブログ主の御用の方は「防草シート張りを朝から夕方まで手伝うから、今度、現場調査に来てざっくり配置案候補と発電量ざっくり計算して」といったお話でしたら前向きに考えないでもないです。

要するに、当ブログ主としてはやり残した防草シート張りのために、ちょっと人手がほしいわけであります。いっしょに「週末は山梨にいます。」しませんか、肉体労働ですけれども(笑)

■ お知らせ(1)
弊社の発電設備の発電量・過去の実績弊社発電設備の発電実績 から、ご覧いただけます。なお、「ねぎ」「えび 1号」では TIGO Energyにより DC側発電量のみを監視しておりますので、DC側発電量を実際の売電量(AC側)に換算される場合には0.9くらいをかけてください。雑草を結構始末したので、妙な位置のパネルの発電量が少ないなんてことはなくなりましたが、今度は電柱の影の影響を受けているようであります。

■■ お知らせ(2)
太陽光発電の設備の設計や購入に関するご相談をいただくことがときどきあります。技術的なご相談はお受けできることもありますが、特定の案件に関するご質問で検討・回答に時間がかかるようなものをタダでいくらでもというわけにはいかないことはご理解ください。ブログのネタにできるような一般的なご質問は結構お答えできるかもしれません。また、業者さん(メーカーさん・施工業者さん・販売業者さんなど)の信用状態に関するご相談はいただきましても回答することはできません。「民間企業の寿命は案外短い」「この業界はいわゆる太陽光バブルで新参者がたくさんいてそういう業界・業者さんはだいたい(中略)」ということを念頭において、ご自身のご判断で取引業者さんをご選定ください。信販審査通ってもアレ、公庫の融資審査通ってもまたアレ、こっそり見積もりの金額を上げられたり、こっちが発注しますといってから1割近くも値段を上げられたり、インターネットがつながらない状態で遠隔監視システムを中途半端にそこに物理的に付けただけで(以下略)などなど、業者さん選びの引きの弱さは自信があります。そんなわけで業者さんの信用状態のことは当ブログ主は聞かないほうがいいと思います。

■■■ お知らせ(3)
最近、分譲物件のご購入に関するご相談を多くいただいております。利回りだけを見て検討されていると思われるケースが少なくないようでありますが、メーカーさんや業者さんがまともな根拠もなくシミュレーションをしていると思われる例(「実績」と言いながら近くに比較対象になっているべき設備が存在しない・明らかに発電量を多く盛りすぎと思われるもの)や、土地代が含まれていないのに土地付きとかなんじゃそりゃというものもあったりしますし、利回りを2倍近くに盛っている例もありました。シミュレーションやそれをもとにした想定利回りは「シミュレーションなので保障しません」でなんとでも言い逃れができるものではあります。イケイケなのか下請けに丸投げなのか担当者が勝手にやり放題なのか、結構いい加減な会社さんもこの業界には少なくないようであります。どうかみなさまにおかれましては、取引先選び・物件選びは自己責任という大前提のもと、利回りのみならず将来の収支をよくご検討の上、価格の適正さをご自身の責任において見極めてご判断をされますようお願い申し上げます。

■■■■ お知らせ(4)
第21回の情報交換会は、11月30日(水曜日)と決めましたので、ご理解とご協力を強制いたします。すでに3名様+αよりご参加表明をいただいております。みなさまのご参加表明を首をきりんにしてお待ちしております。

■■■■■ お知らせ(5)

当分の間、当ブログ主の携帯電話(090-****–**00)は不通であります。また、もう1つの番号(050-****-**50)も留守番電話サービスに録音をいただきましても当ブログ主がチェックするのはまず無理な状況であります。ご用件がありましたら「重たくない」電子メールでお願いいたします。

■■■■■■ お知らせ(6)

相変わらずこのあたりにもランキングのバナーを置いておきます。当ブログのような泡沫ブログでない素晴らしいブログもたくさん参加されていらっしゃるので、当ブログのような泡沫ブログでいろいろと聞くよりも、親切で的確な答えが見つかるかると思いますよ、きっと。

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