「令和元年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2020)が閣議決定されました
2020年6月5日
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200605002/20200605002.html
エネルギー白書について
例年、エネルギー白書では、エネルギー動向、前年度においてエネルギーの需給に関して講じた施策の状況について記載しています。これらに加え、本年は、以下について紹介しています。(2)災害・地政学リスクを踏まえたエネルギーシステム強靱化
•資源・燃料のセキュリティ強化のための方策
•昨今の災害を踏まえた持続可能な電力システム構築の方向性
•再生可能エネルギーの主力電源化に向けた制度改革の方向性
•エネルギーレジリエンスの強化に向けた制度的対応 等
この業界にいる方や、この趣味のクラスタにいる方々は昨今の動向として知っておきたいところでありますね。
エネルギー供給強靱化法が成立、22年4月施行/各種制度、詳細設計へ
2020/06/08
https://www.denkishimbun.com/archives/59303
FIT法の改正では、これまで一律にFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)で支えてきた再生可能エネ電源を、競争電源と地域活用電源に大別。事業用太陽光と風力は競争電源として、FIP(フィード・イン・プレミアム)に移行させる。
全力で競走できる方々、本業系の方々のご活躍を祈念したいです。
エネ供給強靱化法が成立/FIP制度創設
[ 2020-06-09 2面 ]
https://www.kensetsunews.com/archives/460754
固定価格買取制度(FIT制度)を見直す再エネ特措法改正を含むエネルギー供給強靱化法が、5日の参院本会議で可決、成立した。大規模事業用太陽光発電や風力発電などの競争電源を対象に、電力市場の価格に連動して導入支援するFIP(フィード・イン・プレミアム)制度を創設する。2022年4月に施行される。
FIP制度は、電力需要に応じて変動する市場価格に一定のプレミアム(割増価格)を上乗せして交付する制度。価格が一定のFIT制度はいつ発電しても収入は同じだが、FIP制度は市場価格が低い時間帯に蓄えた電力を市場価格が高い時間帯に供給することが可能になり、発電事業者が需要の変化に応じたインセンティブ(優遇措置)を得られるようにする。
改正再エネ特措法はFIT制度見直しのほか、10kW以上の事業用太陽光発電事業者に対して設備廃棄費用の外部積み立てを原則義務化する。積立期間は調達価格の終了前10年間とする。
廃棄費用の使い込みとか、廃棄費用のピンはねとか、積立監理業務の再委託の再委託とかないようにお願いしたいです。
石炭火力 覆る輸出の「理由」 環境省検討会が報告書
2020年6月5日 7時30分
https://www.asahi.com/articles/ASN635VGYN5YULBJ01N.html
小泉進次郎環境相の肝いりでつくられた有識者検討会が先月、石炭火力発電の現状を整理した報告書をまとめた。新たなインフラシステム輸出戦略の骨子に反映させたい考えだ。報告書からは世界が急速に脱炭素化へかじを切る実態が見える。
環境派と、石炭火力輸出派の折り合いをどうつけるかでありますね。明日からどちらかだけにします!という簡単なものでもないわけでありまして。
新型コロナで延期の太陽光入札が再始動、募集容量は1500MWを維持
2020年06月16日 15時30分 公開
https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/2006/16/news120.html
今回開催された委員会では募集枠は計画通り上期と下期のそれぞれで750MWとする他、上期入札の受付開始時期を2020年6月12日、締切日を7月22日に後ろ倒す方針が了承された。結果の公表日は11月6日である。
下期入札の受付開始は従来通り8月21日、締切日は9月4日である。ただ、このスケジュールだと「上期入札で参加資格を得たが落札に至らなかった場合、下期の入札に参加できる」という制度が適用できない。そこで、上期の非落札者については下期入札の受付開始日を11月6日、締切日を11月13日にする方針だ。
当ブログご愛読の方の規模感とは異なる世界の話ではありますが、その方面の方にはご武運をお祈り申し上げます。
九電の出力制御、4月は最多22日間 「太陽光発電の接続量が着実に増加」
毎日新聞2020年5月7日 23時24分(最終更新 5月7日 23時24分)
https://mainichi.jp/articles/20200507/k00/00m/020/217000c
再エネの出力を最も抑制したのは4月25日午後1時前で、原発2基分に相当する230万キロワットが対象となった。当時の電力需要は800万キロワットで、再エネの出力は799万キロワットに達していた。
大手電力会社さんにご不満のある方も多いようではありますが、電力需要が800万kWで、再エネの出力が799万kWなんて制御はほとんど神業に近いレベルであります。
Biz 九州・山口経済 出力制御実施 5月は16日間 /福岡
会員限定有料記事 毎日新聞2020年6月4日 地方版
https://mainichi.jp/articles/20200604/ddl/k40/020/378000c
稼働中の原発は前年より少なかったが、太陽光発電の接続量増加や日照条件が良かった。今年の出力制御は5月末までで計69日間となり、昨年1年間の実績(61日間)を既に上回ってい…
この記事は有料記事です。
九州でチャリンチャリンを当て込んでいる方にとってはあまりありがたくない情報ではありますが、「土地が安いし日射量が安いし」で参入された方がたくさんいれば当然に生じたリスクでありますが、お上のもっとストレートな交通整理があってもよいかもであります。
電圧フリッカなぜ再発? 九電悩ます広域発生 背景に太陽光発電の急拡大
2020.6.11 07:07
https://www.sankei.com/region/news/200611/rgn2006110030-n1.html
九電送配電電力品質グループの江口貴之課長は「以前の電圧フリッカは1秒間に6回の周期だったが、今回は1秒間に3回と状況が異なる。全く同じメカニズムで発生しているとは考えにくい」と語る。
また、これまでPCSを改修したのは小規模な太陽光発電所で、「メガソーラー」と呼ばれる大規模施設は手付かずのままという。そのような状況が影響した可能性もあるが、「まだはっきりしない」(江口氏)のが現実だ。
プロ中である九州電力さんも「まだはっきりしない」ということは単純な問題ではないのかもしれません。
3次元架台の活用や蓄電池の併設も、日本アジア投資のメガソーラー3件が稼働
2020年05月08日 07時00分 公開
https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/2005/08/news047.html
紋別市弘道太陽光発電所は、最大出力が15.7MW、予想発電電力量が年間約1万8993MWh(メガワット時)。売電開始は2020年2月。買取価格(FIT)は40円/kWh(税抜き)である。同発電所は、スマートソーラーとの共同投資案件となる。出力変動タ対策として蓄電システムを導入した他、パネルの設置角度を最大20度まで調整可能な3次元架台を使用。また、パネル表面への積雪回避のため、パネルを高い位置に急な傾斜角度で設置している。
「パネルの設置角度を最大20度まで調整可能な3次元架台」「急な傾斜角度で設置」というあたりがよくわかりませんが、どんな架台なのでありましょうか。40度±20度みたいな感じでありましょうか。
紆余曲折の480MW離島メガソーラー計画、年度内の着工へ前進
2020年05月07日 07時00分 公開
https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/2005/07/news039.html
この宇久島のプロジェクトは2012年度にFITの認定を取得しているため、買取単価は40円/kWh。ただし、上述したFITの制度改正によって、この権利は2020年8月中に着工できなければ失効し、買取単価は半分程度になってしまう。総投資額2000億円のプロジェクトであり、8月中の着工は必須だ。
意地でも、杭の1本だけでも打って「着工しました!」としたいところでありますね、事業者さんとしては。国民負担の点からはどうなの?と思うところもありますが。
川の落差活用、中小水力発電所増設へ 県企業局、小国・明沢川を適地調査
2020年06月01日 10:16
https://www.yamagata-np.jp/news/202006/01/kj_2020060100007.php
発電分は電力会社に売電する計画だが、20年度はFITの見直しも行われる予定で、採算性については慎重な判断が必要という。同局電気事業課は「FITの動向も注視する必要があるが、本県の水資源を活用したクリーンエネルギーの導入拡大に努めていきたい」としている。
ぜひぜひ増設を、でありますね。
地熱発電、頭打ち 潜在性高いが出遅れ鮮明
2020/6/8 2:00
日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60082910X00C20A6X96000/
国内の地熱発電所の開発が進んでいない。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によると日本の再エネの発電容量は過去10年で3倍近く伸びた一方、地熱発電は2%減少した。地熱は開発期間が長いことから新規の大型案件に乏しく、豊富な資源を生かせていない。国が掲げる再エネの導入目標の達成に向け、官民一体となっての開発加速が求められる。
再エネクラスタの官民は一体になれそうですが、環境クラスタの方々との間で立地の折り合いが難しそうであります。
波の力で電力を生む、湘南・平塚で波力発電システムが実証稼働
2020年06月09日 06時30分 公開
https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/2006/09/news046.html
東京大学生産技術研究所では、中長期的には今回設置した発電システムをユニット化し、複数連系することでより大きな出力の波力発電所を実現したい考え。実用化については今回の事業で培ったノウハウを生かし、10年以内の商業化を目指す方針で、2050年頃には原発一基分に相当する総発電能力1GWの波力発電システムを全国展開したいとしている。
商業化、ぜひお願いしたいです。再エネの多様化も重要であります。
高山のバイオマス発電、トラブルを乗り越え安定稼働に
地域産の木質ペレットでFIT売電、排熱を温浴施設に供給
2020/04/16 15:30
https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/feature/00002/00035/?ST=msb
谷渕社長は、「木質バイオマスを地域で循環させるためには、山(林業)と発電・熱供給者、そして需要家の3者が均等に利益を分け合うことが大事。誰かが、大きく儲けようとしたら、うまくいかない。ようやくそれが実現しつつある」と話す。
これは重要なことであります。地域外からの循環は当てにせずに、地域内で持続可能な形で利益を分けつつするのが一番であります。
JPEA PV OUTLOOK 2050 ”感染症の危機を乗越え、あたらしい社会へ「太陽光発電の主力電源化への道筋」”公開について
http://www.jpea.gr.jp/topics/200518.html
人類が持続的に生存していくために、国際社会、私たちの社会が連携・協力して取り組むべき優先課題として、太陽光発電の主力電源化に向けた取り組みを加速してまいります。
別組織だから知りません的ななんとか代行センターのお仕事(今話題のなんとか省の委託事業でしょうか)も加速していただきたいものであります。
太陽光発電所で銅線80本盗難 泉崎・火災…ケーブル切断要因か
2020年05月12日 09時30分
https://www.minyu-net.com/news/news/FM20200512-497492.php
銅線の配線ケーブル約80本が切断され、盗まれていたことが11日、同社への取材で分かった。白河署は同社から届け出を受け、窃盗事件として調べている。
昨今の情勢から、この手の犯罪が増えそうでありまして、悩ましい世の中であります。しかもホイホイリストをお上が公開というのはいかがなものかと思うわけでありますが。
続く泥棒、情報源は経済産業省? ソーラーパネル6000枚盗まれる
2020年5月31日 07時44分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/32332
「事業者側からすると、そこまで公表すべきなのかという批判はあるかと思うが、長期安定的に発電するために、情報を周知して地域の理解を得る観点から公開している」
ホームページで周知すれば地元の理解られるものなのでありましょうか。そのような目的であれば標識で十分ではと思うわけでありますが。
メガソーラー規制を強化 住民「災害リスク増」、国が方針転換
2020.5.29 08:04
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200529/mca2005290500001-n1.htm
福島市の山あいにある高湯温泉からほど近い山林で、民間企業が出力約4万キロワットのメガソーラーを設置する計画が進む。「地元の誰もが『なんでここに?』と思ったはずだ」
建築物を作るのと同レベルの条件・規制・基準などはあったほうがよいのではと思います。もっとも世の中にはもっと恐ろしい規制を太陽光発電に要求される方も特定の地域にいらっしゃるようではありますが。ああこわい。
南山城村 メガソーラー工事で約束違反の「泥水」流出続く、共産党「工事がずさん」
2020年6月10日
https://www.kyoto-minpo.net/archives/2020/06/10/post-24950.php
ところが事態は改善されず4月にも再び、泥水が流出。村は5月、千代田化工建設と立ち合いの上、再度の改善を指導。千代田化工建設は5月7日に、改善工事をしたものの、5月19日に泥水の流出が確認されました。千代田化工建設は6月に再度改善工事を行ったとしており、村は状況を見守っている状況です。
日本共産党の齋藤和憲村議は「ファースト社は、『千代田化工建設は、大手で実績豊富なので安心』と説明してきたが、早期完成が最優先で使用道路、工程を変更し、泥水も2箇所で流出させるなど、工事はずさんで信用できない。そもそも、府が許可したことが問題だが、許可した以上は計画、周辺環境を守るよう指導すべき」と話しています。
大手で実績が豊富なのは事実ではありますが、安心かどうかはまた別問題であります。泥水はある程度予想はできるのではとも思うわけでありまして、計画時に漏れがあったのでありましょうか。
「アセス 適正と言えず」 霧ケ峰高原近くのメガソーラー計画
(6月2日)
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200602/KT200601ATI090017000.php
諏訪市四賀の霧ケ峰高原近くでLooop(ループ、東京)が進める大規模太陽光発電所(メガソーラー)計画で、地元の諏訪、茅野両市長は1日、同社の環境影響評価(アセスメント)準備書に対する意見を県に提出、公表した。水への影響評価など、準備書には科学的データが不足し、「適正に評価されているとは言えない」(茅野市長)などと指摘。住民への丁寧な説明と合意形成を同社に求めた。
準備書は、計画が環境に及ぼす影響を調査・予測した結果と、環境への悪影響を回避・抑制するための対策の案を示し、最終的な評価書の前段階に当たる。知事は8月末ごろまでに、準備書に対する意見を公表する予定。両市長の意見や県環境影響評価技術委員会の議論を参考にすることから、ループ側にアセスの内容などの見直しを求める可能性が強まった。
ループは1日の取材に「厳しい意見が多かった。真摯(しんし)に受け止め、住民の不安を払拭(ふっしょく)できるよう努める」とした。電力の買い取り価格がさらに引き下げられる来年4月より前に着工したいとし「時間や経済性を見ながら、可能な限りの対応をしていく」としている。
住民の反対も相当なもののようでありますし、地下水に影響がないと言い切るには規模も大きいわけで、某L社さんとしては難しい決断を迫られるのではと思います。
霧ケ峰下四賀ソーラー計画 事業者が撤退検討
2020年6月17日 6時00分
http://www.nagano-np.co.jp/articles/63557
18日夜に同社関係者が来諏し、地権者の会合で今後の方針を説明する予定。地権者の意見を聞いた上で決定するもようだ。
諏訪地方に来ることを「来諏」というのでありますね。
地権者は、諏訪市の上桑原牧野農業協同組合、上桑原山林組合、霧ヶ峰上桑原共有地組合の3組合。計画地一帯はかつて牧草地だったが、需要がなくなり放置されて森林化。過去にリゾート開発計画が2度持ち上がったが、実現しなかった。組合は「発電所ができれば森林整備や防災対策が進み、雇用も生まれる」と期待を寄せている。
この森林を後々どう管理していくのかというのが難しい課題になりそうであります。
四賀ソーラー撤退の意向 地元説明会で表明
2020年6月19日 6時00分
http://www.nagano-np.co.jp/articles/63660
説明会はいずれも非公開。説明会後、中村社長は報道陣の問いかけに無言で会場を後にした。同社の社員は「あした県に報告します」と語った。複数の出席者によると、中村社長は撤退の意向を示し、出席者から異論は出なかったという。上桑原牧野農協の小松眞知男組合長(71)は撤退を受け入れる意向を示した上で、「組合として山を守っていかなければいけない」と語った。
地権者の方に管理の責任・労力だけが残ってしまうような結末にならなければよいなあとは思いますが・・・。
栃木・那須塩原市、メガソーラー撤回の要望取り下げ
関東 栃木
2020/6/8 19:23
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60110790Y0A600C2L60000/
建設予定地はブリヂストン黒磯工場跡地で、JR那須塩原駅から約1キロメートルに位置する。県の調査で敷地のすぐそばを流れる小規模河川が氾濫するリスクが指摘された。市は跡地の有効活用は諦めるものの、発電事業者のNTTファシリティーズに対して景観の配慮に加え、浸水対策や漏電対策を求めるとしている。
「うちらが活用しようかなと思ったけど、氾濫リスクがあるからいらないわ、だからメガソーラー撤回しなくていいよ」「つか、メガソーラーってもうかるんでしょ、景観も氾濫の対応もやってね」という感じなのでありましょうか。そのような土地だからこそ有効に活用していいメガソーラーができることを期待したいです。
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