これは気になる、赤外線サーモグラフィカメラ、FLIR C5。


太陽光発電事業家の方や、趣味といっても中上級な太陽光発電家の方ならつい手が出てしまいそうな、ちょっと危険な「大人のお・も・ち・ゃ」赤外線サーモカメラであります。以前はお値段が相当高かったり、画角が狭くてたくさんのパネルを点検するには使いにくかったりでありました。

当ブログ主はFLIR E40 (MSXなし)持ちでありますが、ちょいと重いのと視野角(FOV)が25度×19度で狭いというのは厳しいところでありました。

赤外線サーモグラフィ:
ソーラーパネルを迅速・確実にテストできるツール
http://thermo.secret.jp/flir/catalog/soller-tec.pdf

結論
太陽電池システムの赤外線検査を行なうことで、潜在的な欠陥を電池・モジュールレベルで迅速に特定し、電気的な相互接続の問題を検知することができます。
検査は通常の稼働条件下で実施し、システムのシャットダウンは不要です。
適切で有用な赤外線画像を得るためには、以下のような一定の条件や測定手順に従う必要があります。

  • 適切な赤外線サーモグラフィと適切なアクセサリーを使用する
  • 十分な太陽放射照度が必要(少なくとも500W/m2〜700W/m2 以上を推奨)
  • 視野角は安全な範囲内に設定する(5〜60°の間)
  • 影や形成や反射を避ける

赤外線サーモグラフィは、主に欠陥を見つけるために使用します。検知された異常を分類し、評価するにはソーラー技術に関する深い理解、検査対象システムに関する知識、そして追加的な電気測定が必要です。もちろん、適切な記録の作成が必要で、あらゆる検査条件、追加的な測定の内容、その他関連の情報を記載する必要があります。
赤外線サーモグラフィを使った検査ー設置段階の品質管理から定期検査までーにより、システムの状態監視を強化しつつ、ソーラーパネルの機能を維持し、寿命を延ばします。そのため、ソーラーパネルの検査に赤外線サーモグラフィを使用すれば、運営会社の投資収益率を改善することができます。

太陽光パネルの発熱調査用途でお使いになる前に
http://ircamera.jp/wp/camera/selection/purpose/solar_detail/

最適な機種選びのために
赤外線サーモグラフィは高額なものほど、素子数(画素数)が多くなる傾向にあります。
太陽光発電システムをどのように点検されるかによって、最適な機種の選定は異なります。
廉価な低画素カメラ(C2やE4)は、パネル1枚1枚を1-2メートル程度の距離からの測定するツールとしてお使いいただくのに適していますが、
メガソーラーなど大型の発電システムの点検を遠距離から効率よく行いたい方は、高画素タイプ(640×480ピクセル以上)をお勧めいたします。

E40って廉価でも低画素でもないのでありますが、視野角が狭いのでパネルから距離をとらないとパネルが収まらないわけで、結構きびちいなあという感じでありました。

その後、えいっと買ったのがFLIR ONE PRO (for Android, MicroUSB)、スマホにくっつけるタイプであります。視野角(FOV)が55度×43度であります。カタログにも「簡易タイプ」との記載があるとおりでありますが、プロユースではなく、ちょいとたまに使う道具としては十分であります。

簡易タイプではないものという条件にすると、カメラタイプのFLIR C2とかFLIR C3が候補になるわけでありますがお値段が倍以上になることと、視野角(FOV)が41度×31度とFLIR ONE PROよりかなり狭いということで候補から外しておりました。

そんな今日このごろでありますが、現れた本命機種が FLIR C5であります。解像度はFLIR ONE PRO並にアップ、視野角(FOV)も54度×42度とFLIR ONE PROに迫るレベルであります。FLIR ONE PROではできない校正や内部バッテリーの交換も可能であります。FLIR ONE PROではフル充電でも動作は40分でありましたが、カメラタイプのFLIR C5ではしっかりバッテリー内蔵で4時間になって現場利用では強い味方になりそうであります。(FLIR ONE PROをモバイルバッテリーで充電という方法もあるのではありますが。)

FLIR ONE PROとFLIR C5の比較をポイントとお値段だけまとめてみました。視野角で選べばこの2機種からの選択がおすすめであります。

  • FLIR ONEは「簡易タイプ」なスマホアクセサリー。フル充電で40分動作。5万円。制約を分かったうえで買うならコスパはよいかと。
  • FLIR C5はフル充電で40分動作のカメラタイプ。フル充電で4時間動作。14万円とちょいとお高め。海外では700ドルなのに。ぴえん。

ところで赤外線サーモグラフィカメラではなくサーマルイメージ温度計という選択肢も、太陽電池パネルのチェック目的であれば十分ありではとは思うわけです。以下の記事、TG165がサーマルイメージ温度計、C2が赤外線サーモグラフィカメラであります。

TG165とC2の違い
http://ircamera.jp/wp/faq/low_reso-faq/tg165andc2/

データ解析可否
両方の機種ともにカメラの映し出す映像を画像として保存できますが、取得画像を数値的に解析する場合は、画像に温度情報を持つC2を選択する必要があります。下記は、2つの機種での撮影画像のデータの違いを示したものです。

TG130は「見るだけ」というミニマムな感じ、TG165/TG167ならあと少しでC2が買えるようなお値段でありますし、海外ではTG165-X (MSXあり)というモデルに置き換わっていて買い時ではない感じ、また、海外ではTG267というモデルが出ているようではありますが国内では未発売のようでありまして、FLIRのサーマルイメージ温度計狙いならもう少し待ちかなという感じでありますね。

国内モデルでTG165-XとかTG267がリーズナブルなお値段で出れば、「FLIR ONEでは物足りない」「でもサーモグラフィカメラじゃなくてサーマルイメージ温度計で十分」という層にはかなりいい選択肢になるかもしれません。

で、FLIRさんから何かもらっただろというご指摘がきそうでありますが何ももらっていません。そのうちこの記事にコメントくらいはいただけるかもしれませんが。

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