ダブル過積載版のこれとこれをえいえいっといじくって、トリプル過積載版を作りました。
最近、DC側に蓄電池をぶっこんだり(パネル容量が50kW以上なら一般用電気工作物ではなく、自家用電気工作物になりますよ)、いわゆるピークカット率の計算も自分でしないとか目安もわからないのにトリプル過積載に挑もうとするような方もいるようでありまして(300%をやめて240%程度にパネル容量を減らす(20%未満の減少)ことは価格変更の対象外でありますから、しかるべきタイミングで判断できれば致命的ではないとは思いますが)、そのようなお話を見聞きするとちょっとこわいなあと思います。とはいえ、資金力・信用力ゆえに突撃できる方がいてこそ開ける道もあるわけでありまして、よろしくお願いしたいです。
では、グラフをどうぞ。
ダブル過積載のグラフと比較すると、グラフ内4本の線がよりくっついてくる感じでありまして、パネルの傾斜角を大きくしも発電量の差はそれほど大きくはないよ、ということであります。
具体的な発電量でありますが、ダブル過積載級からトリプル過積載級にパネルを増量することで得られる発電量は、ピークカットで半分以上消えているような感じであります。ピークカットはだいたいこんな感じというのはこちら(過積載率400%~1,200%の場合)とか、こちら(過積載率100%~300%の場合)をご参照ください。
仮にダブル過積載でピークカット率10%、トリプル過積載でピークカット率28% (山梨県勝沼のMETPV-11データと一定のパラメータを設定、真南向き傾斜角15度とか20度の場合でこんな感じ)とすると、
- 過積載なし(過積載率100%)の場合の発電量を100とすると、
- ダブル過積載(過積載率200%)の場合の発電量: 180 (=200×(100%-10%))
- トリプル過積載(過積載率300%)の場合の発電量: 216 (=300×(100%-28%))
でありまして、ダブル過積載→トリプル過積載では、パネルの容量は5割増ですが、発電量は2割増にしかならないわけでありまして、増量分の追加コスト部分の費用対効果はかなり厳しいなあというわけであります。
ちなみに、過積載率250%の場合、ピークカット率は20%程度でありまして、発電量は200 (=250×(100%-20%))であります。ダブル過積載と比較すると、パネル容量は25%増し、発電量は11%増しとなります。
ちがう視点から整理すると、
- 過積載なし→ダブル過積載にした場合の増量部分のパネルでは80の発電量 (上記、180-100)
- ダブル過積載→トリプル過積載にした場合の増量部分のパネルでは36の発電量 (上記、216-180)
でありまして、同じ、「100%」分のパネルの増量でも期待できる発電量の増量(増加容量対増加発電量)は大きく異なるわけであります。
なお、上記のピークカット率はあくまでも
山梨県勝沼のMETPV-11データと一定のパラメータを設定、真南向き傾斜角15度とか20度の場合でこんな感じ
であります。場所やパネルの傾斜角・方位角によって異なりますからご注意ください。日射量が低い場所、パネルの方位角・傾斜角がより発電量の小さい向きであれば、ピークカット率は一般に小さくなります。
また、パネルを増量するということは、当然資機材のコストも増えるわけでありまして、固定資産税(償却資産)の評価額も上がって、税額も上がって・・・ということになります。さらに将来の話でありますが、「算出した評価額が取得価額の5%を下回る場合は、取得価額の5%の額が評価額となります。」「償却資産においては、課税標準額が150万円未満の場合には固定資産税を課することができないとされています。なお、課税標準額は、各資産の評価額を資産が所在する区ごとに合算した額です。」でありますから、区(東京都の場合)や市町村ごとに、取得価額の合計3,000万円以上だと除却するまで固定資産税が追いかけてくることになります。リターンがそれなりに見込めない設備投資をして取得価額が上げてしまうと、あとで大変なんてことにもなりかねません。
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