今北産業。第6次エネルギー基本計画(案)、中身はどこかにまとまってないの?


前回の記事の第6次エネルギー基本計画。電気を売る側になってみたからこそわかる世界観もあるわけでありまして、理性的なご意見をまとめてみると、その過程で自分の考え方も整理できそうではあります。

安易に英訳すると Energy Basic Plan みたいないまいち強くなさそうなものになってしまいそうですが、公式にはStrategic Energy Plan ストラテジック。戦略的エネルギー計画。かっこいいです。

ところがじっくり読んでみようとすると、いまいち頭に入りにくいのであります。歳のせいでありましょうか、時差ボケのせいでありましょうか。今北産業さんに要約をお願いしたい!と思ったところ、このようなページを見つけました。

IMAKITA Document Squeezer
https://www.qhapaq.org/imakita/

唐突ですが皆様は偉い人の長話に苛々したことはないでしょうか。言いたいことは短いのに枝葉をつけた長文を送られるのにウンザリしたことはないでしょうか。

そんな皆様の声(?)を受けて、長文を3行ぐらいで纏めてくれる(厳密には、文章全体の中で特に重要度の高い文を抽出してくれる)エンジン IMAKITAを作ってみました。

ではさっそくやってみましょう。

入力したのは「はじめに」のこの部分です。

【日本のエネルギー需給構造の抱える課題の克服】
気候変動問題に関する世界的な関心が高まる中、日本のエネルギー需給構造は、大きな変革の途上にある。高度成長期に構築されたエネルギー設備の高経年化が進む中にあって、自然災害の大規模化といった要因も重なり、高度成長期以降では類を見ない大規模停電を経験し、改めて安定供給の重要さを再認識した。将来にわたる強靱で安定的なエネルギー需給構造の確立に向けては、必要な投資の確保やそれを可能とする事業環境の整備など、官民一体となった取組が引き続き求められる。一方で、日本の電気料金は震災以降高止まっている。これまでの伝統的な電力多消費産業に加えて、今後、デジタル化の進展により情報通信産業をはじめ、社会全体における新たな電力消費の拡大が見込まれる中、電気料金の抑制は、日本の産業競争力に直結する重要な課題である。足下でGDPの2割以上を占めるものづくり産業が将来にわたって日本の産業構造の重要な役割を果たしていくためにも、産業界におけるカーボンニュートラルに向けた取組のみならず、それを支える安定的で安価なエネルギー供給は不可欠である。
安全の確保を大前提としつつ、安定的で安価なエネルギー供給の確保と、気候変動問題への対応を進めるという、これまでもエネルギー政策の大前提とされてきたS+3Eの大原則をこれまで以上に追求していくためにも、あらゆる政策を総動員していかなければならない。

結果はこうなりました。

【日本のエネルギー需給構造の抱える課題の克服】 。
気候変動問題に関する世界的な関心が高まる中、日本のエネルギー需給構造は、大きな変革の途上にある。
高度成長期に構築されたエネルギー設備の高経年化が進む中にあって、自然災害の大規模化といった要因も重なり、高度成長期以降では類を見ない大規模停電を経験し、改めて安定供給の重要さを再認識した。
一方で、日本の電気料金は震災以降高止まっている。
足下でGDPの2割以上を占めるものづくり産業が将来にわたって日本の産業構造の重要な役割を果たしていくためにも、産業界におけるカーボンニュートラルに向けた取組のみならず、それを支える安定的で安価なエネルギー供給は不可欠である。

ほう、確かに短くなって、かなりまとまっているかも!

本当は全文をぶっこんでみたかったのですが、公開されている案がPDFファイルで、各行の前に行番号がついているので取るのが面倒なのであきらめました。Wordファイルがあればぜひぶっこんでみたかったのですが。

ということで、まずは、公式に公表されている概要を読むのが一番です。委員のみなさんもお忙しいわけで、「概要はないの?」は当然出てくる話であります。「1枚紙」「ポンチ絵」までに詰め込むのは無理ではありますが。

第6次エネルギー基本計画(案)に対するパブリックコメント(意見募集)
https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/opinion/public.html

意見の対象
エネルギー基本計画(案)(PDF形式:931KB)PDFファイル
関連資料
エネルギー基本計画(案)の概要(PDF形式:854KB)PDFファイル
2030年度におけるエネルギー需給の見通し(参考資料)※令和3年9月8日更新(PDF形式:5,927KB)PDFファイル

国家のエネルギー基本計画がそれなりの分量になるのは当たり前のことでありまして、読む気にならないとか文句をたらたら言う前に、勝手に要約して公式に出ている概要の確認をして整理の上で、本文にチャレンジくらいの考えは持ちたいものであります。まあ、今回はいろいろなせめぎあいとかの中でできている基本計画なので、読後感も読書中の味わいも、いずれもいまいちなのはいたしかたがない部分はあるのではありますが。

パブコメを出すことにも関心はあるのですが、各方面からの現実的な技術を無視したわがままなコピペなご意見がどのくらい集まるのか、一部ではゴミ箱と評される某意見箱状態になるのではということにも興味がつきない今回のパブコメ募集。まだ締め切りまで時間はありますので、まだ出したことのない方も、ご意見提出、チャレンジされてみてはいかがいでしょうか。
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