ということで、本当に儲かるんでしょうか。ざっくり計算してみます。大昔に似たようなことはやっているのではありますが、今回は30年間の想定もしてみました。(そうでもしないと、20年で表面利回り9%ってもはや事業ではないと思うのですが。)
キャッシュフロー計算のためのExcelシートを作っていたのですが、セカンダリー対応に改造したり、いろいろ試しているところです。
前提条件
- 土地代250万円+設備など1,540万円(税込み)+設備設置負担金110万円(税込み)の合計1,900万円という値付け。
- 14円(消費税込み15.4円)案件。
- 21年目以降の買取価格は8円/kWh(税込み)を勝手に想定。
- パネル容量約100kW、初年度年間想定発電量約110,000kWh、初年度想定売電収入約169万円(税込み)。
- 上記の想定発電量はインチキ・水増しなしで、だいたいこのくらい発電すると想定。
- 土地代・設備設置負担金相当額は現金払い、残りは年2%、15年間返済のローン。
- 固定資産税の計算の際の、土地の評価額は250万円。
- 将来の修繕費として、実際はいつ発生するかはわからないけれども、計算上は10年目に「設備などの5%」がどーんと支出されると想定。パワコンの交換とか実際どうなるかわからないけれども。
- お上から強制源泉徴収される廃棄等積立費用は、11年後から20年後に「設備などの0.5%」を毎年支出するものとして想定。(1kWhあたりおいくらという単価があるのですが、Excelシートで単価ごとに設定するのは面倒なので、だいたいえいっとでご勘弁してください。)
- 保険料、通信費、点検とか見回りとかいろいろな費用は、毎年発生する費用として、9万円/年。
だいたい計算してみました。
- 20年後の累計のキャッシュフロー(税引前)は280万円
- 30年後の累計のキャッシュフロー(税引前)は762万円
「税引前」とは、固定資産税は払ったあと、法人税・所得税・住民税は払う前、という意味であります。念のため。税引後だと当然金額は変わってくるのですが、税率や、他の発電設備の収益や、他の所得との通算で結果がいろいろと変わってきますから、あえて税引後は触れないことにします。
で、結果でありますが、「1,900万円近く投資して、20年で280万円、1年あたり14万円。年0.7%かい」という考え方もありますが、「最初に360万円の現ナマに対してで計算すると、年3.9%か」という捉え方もできないでもありません。とはいえ、20年で280万円、経済環境の変化とか、改悪リスクを考えると、イケイケで攻めるにはちょっとなー、という感じもいたします。
ただ、30年後だと、「1,900万円近く投資して、30年で762万円、1年あたり25万円。年1.3%かい」は依然としてこの数字なら米国株のほうがいいだろ的な感じかもしれませんが、「最初に360万円の現ナマに対してで計算すると、年7.9%か」になるわけで、印象はだいぶ変わってきます。これからやるなら30年を見据えた計画が必要でありましょう。機材選びとか、老後の対応とかも含めて。・・・でも、改悪リスクも小さくないわけでやらないという選択肢もありでしょう。(どっちやねん)
では、ここで、同じExcelシートを使って、結構懐かしい、24円案件で80kWくらいの当時の「スーパー過積載」、コミコミ2,300万円でどんな感じかを計算してみましょう。以下の条件以外は、上と同じ条件設定です。表面利回りは11.5%。いいなあ。
- 土地代452万円+設備など1,760万円(税込み)+設備設置負担金88万円(税込み)の合計2,300万円という値付け。
- 24円(消費税込み26.4円)案件。
- 21年目以降の買取価格は8円/kWh(税込み)を勝手に想定。
- パネル容量約80kW、初年度年間想定発電量約96,000kWh、初年度想定売電収入約254万円(税込み)。
- 固定資産税の計算の際の、土地の評価額は452万円。
結果はどーん。
- 20年後の累計のキャッシュフロー(税引前)は1,154万円
- 30年後の累計のキャッシュフロー(税引前)は1,530万円
文字どおり、桁が違います。
えっ、32円とか36円とか40円で首尾よく事後的過積載の申請を出して、パネルなどがお安くなってから増設したような案件ならどんな数字かって? バキューンされるので、ここでは書きません。
うらやまけしからんな儲かってるみなさん、適正に税務対応でしっかり納税をお願いします。
■ お知らせ(1)
業者さん(メーカーさん・施工業者さん・販売業者さんなど)の信用状態に関するご相談はいただきましても回答することはできません。「民間企業の寿命は案外短い」「この業界はいわゆる太陽光バブルで新参者がたくさんいてそういう業界」ということを念頭において、ご自身のご判断で取引業者さんをご選定ください。
■■ お知らせ(2)
物件の検討にあたっては業者さんの「俺様シミュレーション」による利回りではなく、ご自身の十分な理解の上、将来の収支や採用される機器の信頼性などもよくご検討の上で、価格の適正さをご自身の責任において見極めてご判断ください。
■■■ お知らせ(3)
固定資産税のお支払いでポイントなどを貯めるお話ならnanacoとかファミペイの話を、イケイケな過積載に挑むなら方位角・傾斜角各種対応の過積載のいわゆる「ピークカット」率の参考資料(METPV-20データ利用)をどうぞであります。
■■■■ お知らせ(4)
TMKオンライン(オンライン版太陽光発電メンテナンス研究会)、次回は3月開催を予定しております。日程のご希望がありましたらお寄せください。オンラインでないほうのTMK (太陽光発電メンテナンス研究会)は、新コロの状況次第ですが早くても5月、でしょうか。
コメント
残念ながらパネルが20年持たないでガンス。フンガー。
ヤポンスキーメーカーのパネルも市販品は20年は無理で15年ぐらいみたいガンス、フンガー。
高耐強度のはずの教徒背羅見苦の15年以上経過パネルのバックシート見るとキビシイでガンス、フンガー。
よく千葉の何とか寺のやつがウンタラとかいいますが、大切なのは市販品の耐久度でガンス、フンガー。
ヤバヤバですわ。まじに。
コメントありがとうございます。
>よく千葉の何とか寺のやつがウンタラとかいいますが、大切なのは市販品の耐久度でガンス、フンガー。
ご指摘のとおり、市販品でどのくらい持つかが重要でありますね。全部は無理でもある程度の数は長持ちをするのではと淡く期待をしています。淡くですが。