「パネルの配置とかってどうすればいいんだろうね」と各方面からお問い合わせをいただくことは、とある飲み会の席とか、メールとか、いろんなところからごく少数からいただくことがありました。スーパー過積載という言葉が業界を席巻したり、インチキシミュレーションが横行したり、いろいろありました。いわゆるピークカット無視上等!みたいなのものとか、両面受光パネルに他社製品disり白い防草シート採用で発電量アップとかって、なんですかそれ、みたいな。今は昔ほどではありませんが。
disるのは流山あたりで、埼玉と千葉あたりがやっていればよいのです。橋ができても普通のETCカードじゃ通れませんって、上等でありますね。埼玉×千葉×大茄子カードって組み合わせ、微妙なフレーバーであります。ということで、いらすとやさんからなすのイラストをお借りしました。
さて、本題でありますが、平成末期ならこんな感じでありました。
- 土地が十分にある状況で、投資効率の最大化を目指すなら「パワコン49.5kWとか」「パネルは80kWとか90kWとかあたり」「パネルの傾斜角は20度とか」にしたいところ。
→105kWとか、118kWとか、130kWとかやる場合には損得勘定やら(自分の中での)正当化は自己責任で。 - 真南にこだわる必要はあまりない。
→真南からふれるほど傾斜角を大きくするメリットは相対的に小さくなる。 - アレイ(≒架台)の間隔は、できれば(影の計算をする際の)高さ2.3~2.5倍。
→20度4段横置き(高さ1.4m)なら3.2mとか3.5mとか。 - 敷地が足りなければパネルの傾斜角を10度とか15度に抑えたり、間隔を詰めたり。
→でも高さの1.8倍は確保したい。10度4段横置き(高さ0.7m)なら1.3mとか1.4mとか。角度を小さくするか、倍率を押さえるかはいろいろな事情次第。「1.8倍は確保しつつ傾斜角は大きくする」がいいのかなという感じ。
どこぞで「過積載率200%が最適」みたいな宗教があったのかどうかは知りませんが、「パネル77kW・パワコン38.5kW」みたいなのがありましたが、なんで「パワコン77kW・パワコン44kWとか49.5kW」にしなかったんでしょうかねえ、です。50kW未満という制約の中でのエクストリームな過積載が105kWとか118kWとか130kWなわけでありまして、それで仕方なく210%とか236%とか260%に結果的になっていたわけであります。猫も杓子も200%にすればよいわけではないのであります。パワコン代ケチるのが正義だったのか検討されたんでしょうかねえ、どことはいわないけど個人情報を提携先渡渉するお行儀の悪い訪販系ソーラー販売会社に流してくれた某ホールディングス・・・。そういへば弊社にもそんな物件が1つあったような。
さて、両面受光パネルも一般的に採用されるようになってきたり、農業用の反射シートを防草シートと合わせて使ってみたり、農業用の白い防草シートはドヤ?だったり、他社製品をdisるような比較広告な白い防草シートが出てきたり、そうでない防草シートも出てきたり、いろいろな情勢が変わってきた令和最新版ではこんな感じでありますね。
- 裏にも当たる光のことも考えないと両面受光パネルのパフォーマンスを引き出せない。
- そこそこ地上高は高く。
→ 低いとパネルの下が暗い、だから裏面の発電量はイマイチ・・・は容易に想像できます。せっかくの裏面を陰キャにしてしまってはもったいないです。できれば1mとか、1.5mとか。とはいえ、高くしすぎると白い防草シートの反射の効果も十分に届きませんし、基礎や架台のコストも上がっていきますから、ほどほどがよさげでありますよ。 - 間隔を詰めすぎるとと不利に。
→ 1.8倍だと冬にはアレイ間はほぼ影がかかりっぱなしであります。夏に比べると表面の発電量が少なめになる冬こそ、裏面にもがんばってほしいところ。表に影がかからないぎりぎりだと裏には光がまわりづらいわけで。やっぱり2.3倍とか2.5倍くらい? あまり広くすると土地もコストがかかりますし、ケーブルが長くなればケーブルや保護管のコストもアレであります。 - 詰め込んで「10度・エクストトリームな過積載」よりは、少し隙間を空けて「15度とか20度・ほどほど過積載」がよいかも。
→ 夏は冬と比べると十分日射があるわけで、エキセントリックな過積載をしても夏の伸びしろは限定的であります。エキセントリックな過積載より、冬の発電量の引き上げを狙いところ。表面の冬の発電量アップや裏面の発電量アップのためには「角度は大きく」「裏面を明るく」であります。同じ敷地で「10度・120kW・間隔1.5m (5.5mピッチ)」とするよりは、パネルを減らして間隔を広く取って「20度・90kW・間隔 3.5m (7.3mピッチ)」のほうがきっといいですよ、たぶん。「15度・105kW・間隔 2.4m (6.3mピッチ)」あたりもバランスがよいかもしれませんが、敷地の環境、お値段、その他もろもろ次第であります。 - 裏面が明るくなるパネルが多くなるので4段架台より3段架台のほうがおすすめかも、でもお値段次第。
→ 架台を細かくすればアレイの中でフチになるパネルが増える=周辺からの光が当たりやすい、ではあります。基礎や架台のコストアップ次第ではありますね。
じゃあお前のところの、両面受光パネルで10度118kWとか、微妙に詰め込まれている15度130kWみたいなのは何なのかよ、失敗じゃねえか?というとそうではなくて、各パネルの発電効率やら投資効率と称するものがが少々落ちても、貴重な土地、案件で、1案件あたいりの売上を大きくしたいということであって、他意は・・・きっとあります。
個人的には15度くらいで間隔を広く取ってエキセントリックな過積載をするのが好きですが、敷地がちょいと苦しいので仕方なくちょいと詰めたら工事が終わって連系前ってタイミングで土地が増えたりなんてビターな思い出も、であります。
だって仕方ないじゃない。世の中、色んな人が色んなタイミングで動いているのです。
■ お知らせ(1)
業者さん(メーカーさん・施工業者さん・販売業者さんなど)の信用状態に関するご相談はいただきましても回答することはできません。「民間企業の寿命は案外短い」「この業界はいわゆる太陽光バブルで新参者がたくさんいてそういう業界」ということを念頭において、ご自身のご判断で取引業者さんをご選定ください。
■■ お知らせ(2)
物件の検討にあたっては業者さんの「俺様シミュレーション」による利回りではなく、ご自身の十分な理解の上、将来の収支や採用される機器の信頼性などもよくご検討の上で、価格の適正さをご自身の責任において見極めてご判断ください。
■■■ お知らせ(3)
例の会こと、TMK(太陽光発電メンテナンス研究会)。奇数月開催がしきたりとなっておりますので、11月の次は来年1月がJK(旧:情報交換会)/TMKのしきたりですので、次回は新年会です。仲良くしてくれる方なら基本、どなたでも歓迎ですよ。
コメント
パネル交換を考えると、縦2列架台を使うことが今ではお勧めです。