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Q 税金払いたくないです。
A それはみんな・・・(以下略 1. そもそも脱税はいけません(棒読み)。 2. 太陽光発電施設なんぞ衛星写真などにより一発で見つかりますから、市町村役場から固定資産税(償却資産)の請求がきます(中にはバカ正直に申告ありがとうございますなんて役所もあるみたいですが)。 3. 売上は電力会社に把握されているのですから逃げようもごまかしようもありません。 4. 太陽光発電事業は数年のうちにきっと税務調査の「重点調査業種」になると思います。「太陽光成金から税金とったぞー」と税務署もポイント稼げるじゃないですか、世間受けもいいですし。
・・・、ということで悪いことは考えないことが一番です。正しい納税こそが信用を高めて、次の事業につながるというものです。(模範解答)
Q 払わないといけない税金は?
A たくさんあります。ものを買えばその場で消費税も合わせて払い、電気を売れば後で消費税を納税、土地を持てば固定資産税、機材は固定資産税(償却資産)、決算して売上・儲けがあれば所得税・法人税・事業税などなどがあります。
Q 消費税って納税しないといけないの?
A 立派な売電「事業者」ですから、電気を売ったときには電力会社さんから消費税相当額もお預かりして、それを納税する立場です。ただし、売上規模等によっては「免税事業者」になれますから、その場合には、電力会社からは税込み金額をもらって、それをそのままウマーとすることは今のところは可能ではあります。
Q 消費税の免税事業者でいられるものならそのほうが当然トクですよね?
A 必ずしもそうではありません。多額の設備投資を行った場合には、「消費税はたくさん払った」「お客さんからはそれほどたくさんの金額の消費税を預かっていない」というケースが起こりえます。本来、収める消費税は「ものを売ったときにお客様から預かった消費税相当額から、自分がすでに他の払った消費税相当額を引いた金額」です。
通常のビジネスであれば、消費税8%の場合、
- 仕入れ(や経費)で540万かかりました→40万円が消費税相当額です。
- 売上が864万です。→64万円が消費税相当額です。
- 税務署に納税する消費税額は24万円(64万円-40万円)です。
となります。多額の設備投資などがあると、この計算の結果マイナスになります。そうすると逆に「還付」を受けられます。しかしながら、免税事業者は消費税の「還付」が受けられません(当たり前と言えば当たり前の理屈です)。よって、多額の設備投資が見込まれる期間は「課税事業者」を選択しておくと有利です。
その辺の損得勘定はご自身でご試算ください。なお、場合によっては簡易課税制度(売上のうち一定額を仕入額とみなす)を選択することもありでしょう。
Q 売上が1,000万以下にしないと損ですよね?
A 「売上が1,000万以下ならゼロ、超えたらいきなり80万円(消費税8%の場合)払え」というわけではありません。仕入れ(や経費)で払っている消費税相当額は「すでに払っている」わけです。追加で払わないといけないのは、「売上(税抜き)から仕入れ(や経費) (税抜き)を引いた金額の8%(消費税率)」です。なので、
- 経費率が高い場合には、売上が1,000万円を超えたからといってえげつない金額を追加でよこせということにはなりません。
- 経費率が低いと、売上が1,000万円を超えたら結構えげつない金額をよこせといわれますが、だからといっていきなり80万円というわけではありません。
1,000万円を少し超えそうなら「超えないようにしたい」は本心かもしれませんが(笑)、それを理由にビジネスのスケールを小さく抑えてしまうというのはもったいない気がします。ビジネスチャンスがあればおいしくいただいて、売上が1,000万円を大きく超えるようにがんばって、どんどん納税したいものです。(ほれ、模範解答だ。文句あるか。) 損得はご自身でご試算ください。
Q 「免税事業者」か「課税事業者」かは簡単に切り替えができる?
A 後出しはだめです。その年度が始まる前まででないと変更の手続きができません。(例外は設立初年度=年度が終わるまでに選択可能。) また、都合のいいようにコロコロ変えると納税者がウマーなことがありますから、それを封じるためにいろいろと変更には制限があります。このあたりはかなりケースバイケースなので、ご自身で税務署や税理士さんにご相談ください。
Q 即時償却や特別償却って使わないと損?
A 大前提として損得はご自身でご試算ください。「儲かってしょうがない会社が」「発電設備買って全額を経費にして今年の税金を安くして」「当然来年以降は経費にはならないから税金はその分上がるけど」「来年以降の利益はどうするかは来年以降に考える」という方向けの制度です。儲かってない会社が使ってもいいのですが、償却額が多額になって大赤字というのもあまり意味がないような気がいたします。
Q で、そもそも「個人」の「低圧連系の太陽光での売電収入」は事業収入?雑収入?
A 相変わらず税務署によって言っていることがちがうようですので、ご自身でご確認ください。なお、資源エネルギー庁は http://www.enecho.meti.go.jp/category/others/green_tax/greensite/green/ で、「個人の方の売電に係る所得区分が事業所得に該当するかは、その売電が社会通念上事業と認められるかどうかにより判断することとなります。判断の目安として、以下の表をご覧下さい。」「一定の管理を行っているときなどは、一般的に事業所得になると考えられます。」
- 土地の上に設備を設置した場合で当該設備の周囲にフェンス等を設置しているとき
- 土地の上に設備を設置した場合で当該設備の周囲の除草や当該設備に係る除雪等を行っているとき
- 建物の上に設備を設置した場合で当該設備に係る除雪等を行っているとき
- 賃借した建物や土地の上に設備を設置したとき
と言ってはいますが、「適用の可否は個別のケースにより異なりますので、詳しくは所轄の税務署にご相談下さい。」ということで、結局、税金のことは税務署には逆らえないようです。要約すると「資源エネルギー庁はできるだけなんとか事業と認めてあげたいんだけど、判断は税務署でヨロ」ということです。
Q 何度もご自身でご試算くださいってうるさいんですけど?
A 個別のケースによります、そう簡単に単純化できるものではありません、ということです。ネットで検索するのも便利ですが、お上なり、然るべきところに聞くということも大事であります。
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